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肩こりと肩甲胸郭関節の関係について(2)

肩こりと肩甲胸郭関節の関係について(2)

滋賀県の認定講師、野々村です。さて、今回も前回のつづきで、肩こりと肩甲胸郭関節の関係についてお伝えしていきます。

今回は、まず初めに<胸郭>について着目してみましょう!

 

<胸郭>は、胸骨や肋骨、背骨で覆われている部分で、心臓や肺といった生命活動に重要な臓器を保護する役割があります。

また、呼吸をするために肋骨が動く構造になっています。この肋骨の動きがバケツの柄のような動きをするのですが、

パーフェクト整体ではこの動きをブラインドが閉じたり開いたりしていると、よく表現しています。

・息を吸うときは肋骨が持ち上がり[ブラインドが開く・上がる]

・息を吐くときは肋骨が下がる。[ブラインドが閉じる・下がる]

ここで大事なポイントは、肋骨は流動的に動く!! というところです。つまり、胸郭は釣鐘状の動かない物体ではなく、

動きがある・動くものだ!ということです。なので、胸郭は、普段の生活の影響を受けて呼吸運動以外でも

けっこう動いて歪みます。なぜ歪むのか?という理屈もあるのですが、今回は肩甲胸郭関節のお話なので割愛します。

 

多く場合、猫背のような姿勢を長時間続けているとブラインド(肋骨)が跳ね上がったままで固まり、元の (閉じた) 状態に

戻れない!ということが起こります。すると、ブラインド(肋骨)が跳ね上がったままのところと、正常に動いているところが

出てきます。この状態のとき、胸郭面はフラットな状態ではなく、凸凹した状態になります。はい、ここ重要です!

ブラインド(肋骨)が跳ね上がったままで胸郭面が凸凹している状態のとき、【肩甲胸郭関節】では

どんなことが起こるのでしょうか?

解剖がわからなかった頃の僕がイメージしていた胸郭 ↓↓↓

解剖がわかってからの僕のイメージしている胸郭 ↓↓↓

前回、肩甲骨は胸郭の上をスライドするように動いているとお伝えしましたね。ところが、肩甲骨が胸郭の上を

スムーズに動くためには、

(1):肩甲骨と胸郭の間に一定のすき間が空いていること

(2):胸郭面がフラットな状態であること

が必要になってきます。どういうことか?というと、

 

もし、肩甲骨と胸郭の間に、すき間がなかったら、当然、骨と骨とがぶつかるので肩甲骨は動けませんよね。

そして、胸郭面がフラットな状態ではなく、凸凹していたらどうなるのでしょう?肩甲骨は、ガタガタした路面の上を

走るような状態になります。とてもスムーズに動くことは出来ませんよね。また、胸郭面が凸凹しているということは、

肩甲骨と胸郭のすき間が凸部分で狭くなり、窮屈な状態になります。

 

皆さんの患者さんの中にも『肩甲骨の奥の方がつまったように苦しい…』と、訴えてくる方っておられませんか?

まさに、肩甲骨の奥・・・つまり【肩甲胸郭関節】が窮屈になって、苦しい状態なんです!

では、この苦しみを解消するにはどうすればいいのか?答えは超シンプル!

 

まずは、凸凹の胸郭面をフラットな状態に戻しましょう!まるで地ならしをするが如く。跳ね上がっている

ブラインドを降ろして、肩甲骨がスムーズに動ける路面を作ってあげましょう!路面がキレイに整備できたらその上を肩甲骨が

スムーズに動けるように、肩甲骨についている筋肉達を調整してゆるめてあげましょう!

 

すると、なんということでしょう!肩甲骨は胸郭の上をスムーズに動けるようになり、苦しみから解放されました!

めでたし!めでたし!となるわけです。これが、肩甲骨周辺の筋肉をいくらゆるめても、症状が改善出来なかった

原因の1つです!そしてこれがわかれば、レントゲンで見るように体が透けて見えるようになります。

整体に必要な解剖知識が、あるとないとの違いはこんな風に決定的な違いです。

 

でも、僕は開業して10年で気づくことができたからラッキーでした。20年たっても、30年たっても、、気づけなかったら

同じ悩みを引きずったまま整体人生を終えたかと思うとゾッとします。

 

さて、これを読んでいただいているあなた!! この理屈を理解して施術できていますか?この理屈を理解しないまま

ただ何となく固くなった筋肉だけをゆるめようとしていませんか?これではいくら頑張って施術しても、

根本的な原因に全くアプローチ出来ていないので、以前の僕のようになりかねませんよ!

まとめ

今回は肩こりと肩甲胸郭関節の関係について、より詳しく画像も交えてお伝えしました。

次回は「スタートラインからゴールラインを目指しましょう!」と題してお送りしたいと思います。

またよろしくお願いします。

 

認定講師:野々村 淳