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協会公式ブログ

四十肩の施術

四十肩の施術

こんにちは。兵庫県の認定講師森鎌です。

本日は、「四十肩」をテーマにお送りしたいと思います。四十肩、やっかいな症状の一つですよね。

というのも、発症段階で来院されるとけっこう出来る事が限られてしまい、お手上げだったりします。

 だけど患者さんは来られるわけなので、何とかしないといけません。四十肩、あなたはどのように対応されていますか。

本日は、今年の1月に四十肩で来院された方の施術経過を書いていきたいと思います。

 状態的にはMAXにひどい四十肩の状態、というわけでは無かったのですが、初回から卒業まで半年くらいかかりました。

主訴:左肩の痛み

【左四十肩の痛みで来院されたAさん】

 ■患者様プロフィール

性別: 女性 年齢: 44歳 職業: 事務職

 ■初回時の状態

Aさんは去年の9月から左の肩に痛みを感じ始めました。

特に腕を上げる動きや後ろに回す動き、服を着替える際に痛みを強く感じられていたそうです。

 趣味で週1行っていたヨガも続けられなくなっていました。

 ■初回時の検査

左肩の外転は90度、屈曲は110度で、それ以上の動きは制限されていました。 

■初回の印象

たまに、患者さんが勝手に思い込んでいる、なんちゃって四十肩のケースがあるのですが、今回のAさんは本当の四十肩のようでした。

 施術経過<1~3カ月目>

四十肩の施術といえば、一般的には肩回りを中心に施術を組み立てるのでしょうか。

 しかしP整体では、いきなり肩から施術を開始する事はありません。 今回のケースでも必ず体の土台となる骨盤から整えていきます。

 それから脊柱、肋椎、鎖骨、ここまでやってから、はじめて肩甲骨や上肢を見て行きます。

 どうしてこんな回り道をするのか? 四十肩になる時は、肩だけが悪くなって四十肩になっている訳ではないからです。

 今回のAさんの状態でいうと、普段事務職で座っていることが多く、骨盤が後傾して猫背になり、 

その結果として肩が前に入ってしまっています。

 肩が前に入った状態では、肩の可動性を大きく損ないます。悪くなくても、100動くところ80くらいしか動きません。

 こんな状態で何年も来たら、それは必ず肩に問題を引き起こします。だから四十肩でも骨盤から整えて行くのです。

 P整体のこういう、遠くから症状を追い詰めて行くところ、個人的には大好きす。

 今回のAさんも、肩や腕を見る前に、骨盤や脊柱を整える事からはじめて行きました。

 初月から3カ月目くらいまでは状態は一進一退を繰り返します。

 施術後は可動域が広がって患者さんも「オオッ!!?肩が上がるようになってきた!」と喜ばれるのですが

次回また来られた際はだいたい戻ってしまっています。こんな時、以前はずいぶん内心あせったものです。

でも、今はちょっと違う視点で見れているのであせりません。というのは、肩の痛み・可動域も見ていますが

 一緒に骨盤の状態や背骨や肋骨の硬さも見ているからです。そっちで少しずつ変化が出てきているので大丈夫なんです。

 着実に一歩一歩改善に向かっているのです。

 初回で患者さんにお伝えしておくこと

最初にも書きましたが、ガチの四十肩の場合そんな簡単に良くなりません。

でも、施術の中で少しずつ変化して行っている所は確かにあるのです。

まずは土台の骨盤、脊柱や肋骨の問題を取り除くことが肩の問題の解決にも繋がっているのです。

これについては初回で患者さんにもお伝えしておく必要があります。そうでないと、患者さんの方も

「施術を受けた後は良くなるけどすぐ戻るのよねー」と思われてしまうからです。 

治療家の方だけでかってに納得していても、痛みを感じている患者さんは、本当にこれ治るのか?と不安ですからね。

 さあ、後半4~6カ月目でどのように改善していったのか。

施術経過<4~6カ月目>  ※2週間に一度のペース

 このころになると、最初の頃と比べてあきらかに可動域にも変化が出始めます。

 患者さんの方も「今までより腕が上がるようになってきた!(ような気がする)」

「 痛くなくなって来た!(ような気がする) 」と言い始めます。(笑)

 傍目には、良くなってきてるやん!って思うのですが、患者さんは痛みが完全にとれるまでなかなか辛口だったりします。

 ただ、良くなってきていてもやはり検査的な感じで動かしたら、まだ制限があり痛みも訴えられます。

 一方で日常的な動きにおいては、患者さんもそこまでシビアな動きをされないので、QOLがかなり上がります。

 また患者さん自身も、どう動かしたら痛いかなど四十肩の対応の仕方を熟知し始めていますよね。

 この位からの施術は、気持ち的にはけっこう楽ですね。ただ、前述のように無理な角度に持って行かなければ

日常生活動作ぐらいは問題なくこなせてしまうので、患者さんの方で「もう大丈夫かなって」自分の判断で、治療を終わらせてしまう事があります。

これは絶対に阻止しなければなりません。なぜなら、先の事まで考えたら最後まで治しておかないと、

また同じことを繰り返すことになります。

それは患者さんにとって望まぬ不利益になることでしょう。 だから、その辺の事は初回の段階で言っておく必要がありますね。

 私の場合はですが、初回の問診では「すぐ治りません、半年以上はかかりますよー」

「痛いのは肩かもしれませんが、そこだけが悪いわけではありませんよー」

「痛みが取れたところがゴールだと考えていたら四十肩は繰り返しますよー」と先に言っています。 

だから患者さんのほうも、それなりに腰を据えて来院して下さっています。

 さあここから施術は佳境に入っていきます。

四十肩施術の流れ

①骨盤・脊柱・肋骨・鎖骨

②肩甲骨・肩まわりの軟部組織

③肩甲上腕関節

 この③がラスボスで、上腕骨をあるべき位置に戻してあげる必要があるからです。

 最初の数カ月の施術は、ある意味で、この③を無理なく矯正するための下準備と言えるのではないかと、個人的には思っています。

 それができればようやく一安心、ゴールですね。患者さんも「おお、肩が回る回る!」と。

 今回の症例も初回来院から実に半年以上かかりましたが、Aさんの左肩は、右と同じように動くようになりました。

 長かった。でも、順を追えば何てことありません。 

まとめ

今回は、四十肩の施術経過についてお伝えしました。

四十肩の問い合わせがあるとちょっと苦手だなと感じる先生、いまいち良くならず長期来院に申し訳なさを感じている先生、

ぜひパーフェクト整体の門を叩いてみて下さい。そこにきっと確かな手ごたえを見つける事ができると思います。

 

認定講師:森鎌 丈雄