肘の3つの関節、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節について
肘の3つの関節、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節について
今回は『肘の3つの関節』について書きたいと思います。肘の関節の働きが分からない!
肘の関節をどう触ったらよいのかよう分からん!という方、必見の内容になっております。
肘の3つの関節
肘を構成する関節は、あろうことか3つもあります。
·上腕骨と尺骨からなる腕尺関節
·上腕骨と橈骨からなる腕橈関節
·橈骨と尺骨からなる上橈尺関節
あんな狭い、限られた部位に3つもあるのです。いやになりますね。それが肘の治療の難しさたるゆえんと
個人的には思っています。だって壊れた肘を見るとき、まずこの3つのどれが壊れているか見ないといけません。
(基本的に壊れるときは3つ一緒が多いですが、、、)それはさておき、まずは一つずつ行きましょうか。
前回の3つの骨で出たランドマークを参考にしながら、行きたいと思います。
<1>腕尺関節
一般的に肘の関節というと、ここを指します。上腕骨と尺骨の間の関節で、前面は鈎状突起、後面は肘窩が
ランドマークになります。動きとしては肘の曲げ伸ばしですね。(屈曲・伸展)
だから曲げ伸ばしで、肘に痛みがあるなら腕尺関節を必ずチェックします。
<2>腕橈関節
こちらは先程の腕尺関節を助けながら、この後説明する<3>の上橈尺関節の動きも助けます。
つまり、曲げ伸ばしと腕のねじる動き(回内・回外)の両方を少しずつ補佐するのですね。
上腕骨と橈骨の間なので橈骨頭がランドマークになります。
<3>上橈尺関節
こちらは橈骨と尺骨の間の関節なので、回内と回外の動きになります。だから、雑巾やドアノブなど、
ねじった動きで問題がある場合は必ずチェックしてください。ちなみにこの回内と回外という動きですが
尺骨は動かず、橈骨だけが尺骨の周りを動いています。そして、その回転軸は、橈骨頭と豆状骨(手首の小指側の骨)
になっています。豆状骨は手首にある骨なので、よく分からない方は、豆状骨で検索して見て下さい。
まとめ
以上、ざっくりではありますが、肘の3つの関節になります。関節の動きが分かれば、肘の患者さんが来られた時に、
どの関節が壊れているのかを知る目安になると思います。ただ、前述したように実際は壊れるときは
3つ一緒に壊れていることが多いです。そして、肘の治療をする上で一番大事なことは、この3つの関節が
どんなふうに壊れているのかを知ることになります。
それが分かれば、肘の治療がグッと上達します。なるほど、肘の関節のそれぞれの動きとそれぞれの症状は何となくわかった。
それで、実際にその関節のどこを見ればいいの?安心してください。次回はそこいきます。
次回は『肘の3つの関節のチェック方法』を書きたいと思います。
認定講師:森鎌 丈雄