肘の症状(後編)・肘の痛み診断名について
肘の症状(後編)・肘の痛み診断名について
今回は「肘の症状の種類(後編)」について書きたいと思います。
ゴルフ肘やテニス肘、よく聞く名前だけど、実は今いちどういう状態か分かんないんだよなー
という方必見の内容になっています。
肘の痛み診断名(後編)
・テニス肘
・ゴルフ肘
・橈骨神経麻痺
・変形性肘関節症
今回の内容はこれです。The 肘の症状って感じのやつらですね。それでは行ってみましょう!
<1>テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
肘の症状の代表格的な有名なやつですね。名前の通りテニスをしている方に起こりやすい。
そして、肘の外側に痛みが出るやつですね。どんな時に痛いのか?テニスをしている時はもちろん、雑巾しぼりや
物をつかんだ時などに痛みを感じます。ようは回内と回外動作の繰り返しによる損傷ですね。
解剖学的には、腕の伸筋群に問題が起こっている事が多いです。腕の伸筋群は、肘の外側上顆に起始部があります。
だからそこが痛いのですね。関節は勿論のこと前腕の伸筋群は要チェックですね。
・総指伸筋
・小指伸筋
・尺側手根伸筋
あたりに引っ掛かりがないか、硬くなってる部分はないか、チェックできるといいでしょう。
<2>ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
テニス肘とは逆で、肘の内側に痛みがでるやつですね。ゴルフだけではなく腕の使い過ぎによるものです。
肘の内側という事は、上腕骨内側上顆ですが、ここはグーする時の手の屈筋群の起始部になっています。解剖学的には、
・円回内筋
・撓側手根屈筋
・長掌筋
・尺側手根屈筋
あたりの筋をチェックしてみてください。
<3>橈骨神経麻痺
名前のとおり橈骨神経に何かしらのトラブルが起こるやつですね。橈骨神経は、背屈動作や手をグーからパーにする時に使う
筋群に行っています。そのため、ここにトラブルが起こると、指が伸ばせず、幽霊みたいな垂れた手になったりします。
そういう状態を、下垂手(かすいしゅ)といいます。興味ある方は、下垂手で検索して見て下さいね。
これも尺骨神経の時と同じく、橈骨神経が骨のどこを走っているのか、どの筋肉の近くを走っているのか、
このあたりは要チェックですね。
<4>変形性肘関節症
使い過ぎによって、肘の関節が変形してしまってるやつですね。膝がO脚になって、膝痛をうったえるご老人。
これは変形性膝関節症ですね。これと同じことが肘で起こっているイメージですが、そこまでの方は、個人的にはあまり
見た事がありません。そして、臨床的には、変形している部分は骨や軟骨がすり減り形が変わっておりますので、
無理にまっすぐにしようとしたり、そういう力づくなことは絶対にしないようご注意ください。
まとめ
さて、ここまで前編と合わせて、代表的な肘の診断名7つを紹介してきました。
それぞれ、悪くなり方や自覚症状の出方に違いがあるので、知識としてあれば施術時の参考になるのではと思います。
でも、繰り返しになりますが、大事な事は診断名ではなく、実際に患者さんの肘を触ってみること。
そして、どこの筋肉や靭帯、関節に硬さがあるのかを知ること。ここから得られる情報こそが全てです。
決して診断名に引っ張られないで下さいね。次回は「肘の見方・感じ方」をお送りします。
認定講師:森鎌 丈雄