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【整体五十肩】結帯動作ができない五十肩の原因究明と施術法(症例つき)

一般的に五十肩の施術は難しいと言われていますが、パーフェクト整体ができたら、それほど困難な症状ではありません。

最近、四十肩、五十肩の患者さんが立て続けに4人来院されました。軽症が2人、重症が2人です。

前提条件として、みなさん、急性期は過ぎており慢性期に入っています。今日は、その時思ったことを書いてみます。

 「五十肩って、簡単です!」

 え〜!そう言える方は少ないのではないでしょうか?

 私も以前は、鍼をうったり、お灸やマッサージをしたり、知っているテクニック全部使ってもなかなか改善できずに苦労していました。

 でも、パーフェクト整体ができるようになってから、五十肩には全く苦労しなくなりましたよ。

 軽症の方は1、2回で、重症の方でも4、5回で、すっかり良くなりました。

 ここで良くなる定義は、ただ痛みが軽くなるのではなく痛みがなくなり、関節可動域いっぱいまで動かせるようになることを指します。

 今回は重症の方を例に五十肩について考察したいと思います。

ひどい肩こりの原因と解決法

 症例(歯科技工士さん)

この方、歯科技工士さんで毎日細かい作業をしています。 

最近は、それに加えてパソコンの作業も長時間増えています。

 痛みのため生活に支障がでており、ストレスになっているのが、苦悶の表情から伝わってきます。

 今まで、他の整体院に通っても、ちっとも良くならないので、心も閉ざしてしまっているのが感じられます。

 検査をしてみると、最も動きの制限が出ているのは”結帯動作”です。

 五十肩(結滞動作ができない)の因数分解1

結帯動作ができないことを因数分解すると・・・肩甲上腕関節の伸展、内転、内旋制限です。

 ●上腕骨を伸展(後方挙上)すると運動制限がある場合、

肩鎖関節で鎖骨の肩峰端が前方に動けない可能性がある。

 ●上腕骨を内転すると運動制限がある場合、

肩甲上腕関節の可動制限がある。 または、上腕三頭筋長頭起始部が癒着している可能性がある。

 ●上腕骨を内旋すると運動制限がある場合、

肩甲下筋が制限されており、肩甲下筋の停止部が癒着している可能性がある。

四十肩、五十肩という、一見どうしたらいいかわからない症状も、タスクを細かく分けていくとやることが見えてきます。

施術

 セオリー通り座位で骨盤から矯正していき、そのまま脊柱や肋骨も軽く整えます。

 この時点で、上半身がガッチガチで肩甲骨が全く動いてないのが伝わってきます。

 

「今まで、どうしてたんですか?」と聞くと、職場の近くの整体院で強もみで施術を受けていたとのこと。

 強もみの整体院では全く良くならず、あちこち体にガタが来はじめ眠れないなど生活にも支障が出ています。

 仰向けになってもらい、再度、骨格を矯正しながら肩から肘、手首も検査します。

 肘も完全に伸ばすことはできなくなっており、手首も詰まっていて隙間が無く狭く感じ、動きもありません。

 これでは、パソコンを使うとき手首をかばってよけいに首肩が緊張しそうですね。

正常な肩甲骨な動き

肩甲骨は、胸椎、肋骨、胸骨で構成される胸郭の上をなめらかに動くのが正常です。

しかし、五十肩になると、肩甲骨が胸郭に張り付いて動けなくなってしまいます。

 肩甲骨をベストポジションで安定させている前鋸筋、菱形筋が疲弊するからです。

五十肩(結帯動作ができない)原因と施術法

 肩甲骨が動けなくなるから、他の筋肉に無理がかかり痛みが出てきます。

 動けない、肩甲骨を腱板と言われる「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」がカバー、それらに負担がかかる悪循環が始まります。

 肩周りの筋膜を緩めながら、肩甲骨周囲を探っていくと肩甲下筋に硬さを感じました。

 パーフェクト整体では、腋窩にはいって肩甲下筋を起始から停止まで丁寧にリリースしていきます。

 「こんなところ、いままで触ってもらったことがない!そして痛いよ〜!」と患者さん。

どうやら、結帯動作を制限していた原因は肩甲下筋のようです。

 肩鎖関節、上腕三頭筋長頭の起始などもしっかり緩めると痛みは改善しましたが、初回は時間切れとなりました。

原因を予測し仮説を立てる

1週間後・・・

 前回の来院で痛みはかなり改善してきたとのことです。でも、まだ結帯動作がうまくできません。

 そして、患者さんは、肩の後ろのあたりを指し示してまだ痛みがあると言っています。

 この時点で、原因はあれだろうな・・・自分の頭の中で推測しています。

 「きっと棘上筋、棘下筋の停止付近の詰めが甘いな」そう思って、五十肩の病態をさらに因数分解してみると・・・ざっくりこうなります。

 五十肩の因数分解2

1. 筋、筋膜の異常

2. 関節包の異常

3. 肩甲上腕関節の位置の異常 

患者さんに模型や図でさししめしながら、上記の事柄を丁寧に説明します。

 「〇〇さんの場合はここが癒着しているので今日は、この筋膜をリリースしていくことがゴールになります。 

そのゴールを達成した後、関節包をゆるめ、肩甲上腕関節の位置を整えてゆきますね。」

 整体にたいする不信感の払しょく

五十肩は、肩だけに問題があるのではなく胸椎や肋骨、頚椎も固くなっています。

長時間の座り仕事なのでもちろん腰も良くありません。毎日細かい作業も続けていますので、それを含めて患者さんに今後のロードマップを見せて、完治までのおおよその道のりを共有します。

 今日の施術で、患者さんも、どこにでもある町の整体院とは違うことに気がつき、すこし心を開いてきた感じがしました。

当院に来る前も、良いと聞けばいろんな整体院に通っていたそうです。

 直近では、強もみの整体院でゴリゴリともみほぐしてもらっていたとのこと。

 その時は、楽になるような気がするけど全く良くなっていない現実。

 でも、そこの整体院の先生は、「今日は、あんなに硬かった筋肉がこんなに柔らかくなりましたね。痛みも少し楽になりましたね。」と、毎回いってくれますが、実際、痛みも、動きも変化なく改善することはありませんでした。

 良いと聞くいろんな院をめぐりこんなことが数ヶ月続きその後当院に来られました。

 なので、整体に対して不信感を持っていたので、信頼関係を築くことも大切でした。

 五十肩の因数分解2からの施術

1. 筋、筋膜の異常

2. 関節包の異常

3. 肩甲上腕関節の位置の異常

 パーフェクト整体では、それぞれの筋、筋膜に対して正確に筋膜リリースを行っていきます。

1の筋、筋膜の異常は、2回目の施術でほぼなくなりました。

 この時点で痛みは軽減し患者さんも笑顔になり信頼関係も築けてきました。

 はじめは、ぶっきらぼうで腫れ物に触るようでしたが少しずつ話してくれるようになりました。

軽症の五十肩は、筋膜を正確に起始から停止までリリースだけで改善できることがあります。

この患者さんも痛みはなくなりました。でも、結帯動作の可動域に制限が見られます。

パーフェクト整体では、痛みの改善だけでなく、可動域を正常範囲まで動かせるようになることをゴールとしています。

今回は重症なので、関節包を狙って施術することになります。

2の関節包の異常を矯正します。肩甲上腕関節は関節包がぐるっと肩の回りを包んでいます。 

でも、深い位置にあり直接触れることはできません。なので、肩甲骨を固定し、てこの原理を使って上腕骨を操作します。

 そして上腕骨と肩甲骨の間にある関節包にフォーカスし丁寧に緩めます。

 体での操作はちょうど、釘抜きとか、缶切りなんかを使う要領です。

 このあたりは、関節の深いところにフォーカスし透視して見るようなイメージを使っています。

 手の力では反応しませんので体を使った操作になりますよ。

 ぐるっと関節包をリリースしながら一周し、取り残した部分がないか再度チェックし、全体が均一に緩んだことを確認。そのうえで、3の肩甲上腕関節の位置の異常をパーフェクト整体骨格リポジション法で正しい位置に戻します。

 健側と比べどのくらいの位置がベストか、慎重に見極め関節が動かない方を探します。

 患者さんの体と対話しながら、余計な力を入れずに焦らずじっくり、骨格リポジション法をおこなっていると・・・

「スコッ!」

 「入った!」

 骨格リポジションで正しい位置に上腕骨頭が入りました。

 私もわかりますし、患者さんにもわかります。 

「やったー!」

肩に残っていた筋肉の緊張も一気に緩み、すこしだけ残っていた肩の痛みもスッキリなくなりました。

 本当は、このあたりは文字にできないほど情報量が多く、文章で正確に伝えることは難しいです。

まとめ

今回は、何件も整体院を回っても治らなかった重症の五十肩の症例について書きました。

一見よくわからない五十肩の施術も、因数分解していくと道筋が見えてきます。

五十肩について詳しく知りたい方は、当協会から販売されている「五十肩・改善法」手順書を御覧ください。

 手順書をご覧になって、力のかけ方とか細かい体の使い方に不明な所があれば、勉強会にご参加ください。

 きっとあなたの疑問が解決し「五十肩って簡単!」と言える日がやってくるでしょう。

 そう言える日が来るようしっかりサポートさせていただきます。

 では、いつか勉強会やセミナーでお会いしましょう!

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この記事を書いたのは、パーフェクト整体認定講師・上杉 勉です。

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一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会(略称:JPSA)

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