【整体 股関節痛】股関節の正常な状態と「違和感」を重症化させない早期施術
【整体 股関節痛】「歩くときに少し突っ張る」「時々パキッと音がする」といった股関節の違和感。変形性や歩行不良へと重症化させないための正しい正常な状態の見極め方と、施術家が実践すべき解剖学的な早期施術のポイントを解説します。
「股関節に少し違和感があるけれど、まだ歩けるから大丈夫」 そう言って放置しているお客様が、数年後に「変形性股関節症」で苦しむ姿を、私たちは何度も見てきました。
施術家として大切なのは、大腿骨頭と臼蓋の「正常な適合状態」を理解し、日常に潜む致命的なリスクをいち早く見つけ出し、解放することです。
この記事では、股関節痛を引き起こすメカニズムと、見逃してはいけない「早期施術の重要性」について詳しく解説します。
目次
股関節の正常な状態とは
股関節の構造は、餅つきの臼と杵の関係です。股関節は、外前を向いた、丸く、くりぬいた臼のような受け口に、球状の大腿骨の頭がスッポリとはまっている典型的な球関節です。

引用:https://www.fukuoka-mirai.jp/orthopedics/565/
大腿骨の頭は大腿骨に対して125度くらい曲がっている
この頭の曲がりが凄く厄介で、他の関節とは違い、検査や動きのチェックを凄くイメージしにくくし、施術・操作イメージが混乱する原因が、この125度の頭の曲がりのせいだと思ってます。
そして、この頭の曲がり角は、年齢とともに(個人差はありますが)角度が変わって行きます。125度の曲がり角が年齢と共に代謝して90度に近づくと、上半身の重さに耐えきれず、大腿骨の首の部分が骨折して転倒することもあるようです。転倒して骨折するのではなく、骨折ししたから転倒しているということです。
大腿骨の頭が股関節の臼に20度~30度前を向いてはまっている
さらにもう一つ、検査・施術を更に難しくイメージしにくい物にしている原因は、大腿骨の頭が前方に捻れてはまっていることです。
股関節の臼の方を寛骨臼といい、寛骨臼の淵には 関節唇がついていて、臼をより深く丸くしています。股関節の接触面は、寛骨臼も大腿骨の頭も共に関節軟骨で覆われています。そして、股関節は内側(深層部)から順に
- 関節包
- 靭帯
- 筋膜
で覆われています。自由度の高い関節なので、関節包・靭帯・筋膜でしっかりホールドされています。
股関節が正常であれば、膝蓋骨は自然に前を向きます。深層外旋六筋がカチカチになると、仰向けに寝た時に、股関節で大腿骨が外旋された位置で固定されてしまうため、膝が外向きになります。
正常な股関節の動き
正常な股関節は、寛骨臼と大腿骨頭が均一な隙間を保って動いていて、下記6つの動きができます。
- 屈曲 → 歩く時の太ももをあげる等の動き
- 伸展 → 足を後方に伸ばす動き
- 内旋 → 足を内側に足組みの方向の動き
- 外旋 → 足を外横ヘ開く上げる動き
- 内転 → つま先が内側を向く動き
- 外転 → つま先が外側を向く動き
上記の6方向への動きが総合的に組みあって働くと、「ぶん回し」運動ができます。「歩く」「走る」「座る」「あぐらをかく」などといった動作を可能にしています。また、股関節は年齢により、また個人差により、その動きの度合いは違います。
日常生活に潜む致命的リスク
股関節は、球蓋(臼蓋)の中に大腿骨頭がすっぽりと収まり、滑らかに動くのが正常な状態です。しかし、歩くことが減り座る時間が長くなっている現代人の生活習慣が、その適合を狂わせていることに気づかないまま生活してることも事実です。
足を組んで座る姿勢の代償
椅子に座って足を組む動作は、股関節が、【屈曲+外旋+外転】の位置になり腸骨と大体を結ぶ3つの靭帯のねじれが緩むので、股関節にとって「リスキー」な状態です。

足を組むことで、骨盤が歪むだけでなく、大腿骨頭が臼蓋の中で本来の位置から押し出され、関節唇や軟骨に異常な圧迫を加え続けます。この「わずかなズレ」の積み重ねが、将来の激痛を招くことにつながります。横座りも同様のズレを引き起こします。
「脚の外旋しすぎ」に注意!過剰な外旋が引き起こす弊害
臨床現場でよく遭遇するのが、良かれと思って行っている「股関節を広げるストレッチ」が逆効果になっているケースです。
外旋しすぎが痛みを呼ぶメカニズム
股関節は球関節で、外旋の可動域が広い関節ですが、「過剰な外旋」の維持は大腿骨頭を前方に突き出す力を生みます。その機序は以下です。
脚が外旋する=深層外旋六筋が弛んで縮む状態になり、その状態が常態化すると、深層外旋六筋をそれぞれ包む筋膜が起始と停止間の一定の距離を保つ必要がなくなる。
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その結果、隣の縮んだ筋膜の膜同士が癒着する。
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それを放っておくと筋肉の骨への付着部である起始・停止も、縮んだ状態のままゆっくり固まっていき、ついにはカチカチになる。

引用:https://yoshitakaabe.blogspot.com/2021/05/blog-post_98.html
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例えば、坐骨神経は、深層外旋六筋の一つである梨状筋から表面に出るのですが、梨状筋がカチカチだと坐骨神経は、梨状筋に圧迫されて窮屈です。すると、痛みや痺れを感じます。
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さらに、お尻から脚に移行する時の坐骨神経は、深層外旋六筋の一つである大腿方形筋をクッションにして通過します。
ですが、クッションの役目をする大腿方形筋がカチカチだったら、これまた、坐骨神経はカチカチの大腿方形筋に圧迫されて、坐骨神経の痛みや痺れを感じるようになります。
外旋の弊害をまとめると
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関節包の弛緩: 外旋が強調されすぎると、関節を支える前後の組織の緊張がアンバランスになり、関節の安定性が失われます。
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インピンジメントの発症: 大腿骨頭が不安定な状態で動かせば、臼蓋の縁で衝突(インピンジメント)が起き、組織を傷めてしまいます。「ストレッチが良い」という固定観念が、実は股関節痛を助長させていることがあるのです。
早期施術の重要性:「違和感」は身体からのSOS
股関節のトラブルは、いきなり激痛から始まることは稀です。「なんとなく重い」「立ち上がりで一瞬だけ違和感がある」「歩いていて急に股関節が痛くなることがある」などといったい「違和感」の段階でアプローチできるかどうかが、その後の人生を左右します。
重症化を防ぐため、股関節が悪くなる“3つのサイン”を見逃さない
股関節が痛みを増し悪化する時のサインは3つあるように思います!
| 触診ポイント | 典型的な反応 |
| ① 腸腰筋 | 過緊張と圧痛 |
| ② 仙腸関節+深層外旋六筋 | 可動制限と筋緊張 |
| ③ 大腿筋膜張筋/腸脛靭帯 | 滑走障害 |
この3点が絡み合うと、股関節の内・外旋や屈曲にわずかな制限が生じ、
- あぐらがかきづらい
- 股関節の軽い詰まり感がある
といった軽い自覚症状が表れます。お客様が、そう話し始めたらピンチ!ではなくチャンス。早期介入で大事に至る前に、食い止めたいものです。
骨盤チェックと大転子の左右差
また、股関節の不調と骨盤は密接に関連しています。パーフェクト整体を実践されている先生なら、毎回骨盤から調整するはずです。
1.患者さんの後ろに立ち
- 腸骨稜
- PSIS の高さ
- 坐骨の前後位置
を左右比較する。

2. 大転子を左右で触り比べ、突出や弾発の硬さを確認する。

ほとんどの場合で左右差が見つかるので、見つけたら即調整して、左右差がなくなれば OKです。
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「違和感」の段階で関節をリセットする: 軟骨がすり減る前の「機能的障害」の段階なら、骨格のリポジショニングによって正常な適合状態に戻すことができます。
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代償動作の定着を防ぐ: 痛みが出てからでは、身体は「痛くない歩き方」を学習してしまい、腰や膝にまで悪影響を及ぼします。違和感の段階で施術を行うことは、全身の崩れを未然に防ぐことと同義なのです。
まとめ:関節の正常な適合を取り戻し、習慣を書き換える
股関節の臨床において、手技と同じくらい大切なのがお客様への「教育」です。
「足を組まない」「横座りをしない」「過剰な外旋ストレッチを控える」といった日常の注意点を、解剖学的な根拠を持って、骨模型や解剖書を使って伝えること。その上で、施術家がわずかな不調も見逃さずに、大腿骨頭を正しい位置へ導くことです。
この基礎的なことを股関節の違和感の段階から徹底することが、多くのお客様を将来の手術リスクから救う唯一の道となります。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事は、協会の認定講師人が書いた内容に片平が加筆してまとめました。
おわりに
股関節痛の改善には、部分的なテクニックではなく、骨盤・股関節・膝・足首までを網羅した「連動性の理解」が欠かせません。
「なぜ、この痛みが出るのか?」という疑問に解剖学的根拠を持って答え、自信を持って施術にあたりたい先生は、ぜひ一度、パーフェクト整体の根幹理論をまとめたこちらの解説記事も併せてご確認ください。
>> 股関節痛の根本原因特定と施術のポイント(理論編)はこちら
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