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協会公式ブログ

股関節痛の原因と治し方

女性に多い股関節が痛み、多くの場合右側だけとか左側だけと片側に痛みが出ることが多いです。こんなときむやみにストレッチすると悪化することもあります。かといって放っておくと悪化することもあります。そこで今回は、原因と治し方、そして施術の症例を紹介いたします。

股関節痛の原因

股関節の痛みを訴えて来院された患者さんに、どのように検査をして痛みの原因を見つけ、仮説を立て、施術をすレバいいのでしょうか?

股関節が痛くなる原因として、一番多いのは変形性股関節症とされています。

股関節の骨や軟骨、靱帯などが変形してしまい、痛みや機能障害をおこす疾患です。

女性に多く、右側だけ、または左側だけ痛いという症状として現れる股関節痛。変形性股関節症の原因の約80%は股関節の形成不全だと言われていますが、実際はどうでしょうか?

何十年も問題なく使えていた股関節が痛くなる場合、股関節の痛みの原因は、股関節が正常な位置から少しだけズレてしまい、そのせいで少しですが動きの制限が起こること原因です。

そして、加齢・筋力低下・躓いた・転んだ.. などが誘因となって、痛みとして現れてきます。

今回は、印象に残っている股関節のトラブルで来られた方の症例を紹介しますので、臨床の参考にしてください。

 症例:股関節後面の痛み

72歳女性。20年前、右アキレス腱断裂の手術

問診

私「今日は、どうされましたか?」

お客さん「今日は右股関節と右足が痛いんです。山登りが趣味で、最近は行ってなかったのですが、一週間前に山登りに行き、 みんなに置いて行かれないように一生懸命下っていたら痛くなりました。」

 主訴は右股関節後ろ側と右足の腓骨頭下部の辺り、痛みで足を引きずる様になる。

 お客さん「痛みが出てから、だんだんと楽になってきたから大丈夫かと思ったのですが、4日すると再び痛くなり、杖が必要なくらいに歩けないんです!」

 私「それは、辛いですね。」

 お客さん「以前も何度か同じように痛くなった事はあるんですが、数日で良くなりました。今回は、良くならないんです・・・。」

 私「以前にも、同じ症状が出た事があるなら、少し治りにくいかもしれませんよ。」

 私「病院には行かれましたか?」

お客さん「いいえ、行っていません。」

 私「施術して5回以内で変化が出ないなら、病院で腰のレントゲンを撮ってみてくださいね。」

 検査

仰向けで、右の股関節を動かそうとすると右股関節後ろ側に痛みが出て、前後、左右、回旋がほとんど動かせない。 熱感が大転子後部にある。 

診断と施術の仮説

熱感があることから、股関節骨頭の微妙なズレがあり炎症が起きていると診断

なので、股関節の受け口側(骨盤)のバランスをとり、その骨盤に股関節を合わせて変化の度合いを見て次回の施術方針を決めることにする。

初回の施術

まずは、座位で骨盤の調整。骨盤、腰椎とても硬い。やはり、股関節の受け口側の問題が解決しないと股関節の痛みは楽にならないと判断し、次回の施術方針を検討する。

1回目は、気になる所を調整して、お客さんの反応としては、ある程度楽になったものの、、歩くと痛いとのことでした。

2回目の施術

2日後に、2回目の施術を行いました。

私「前回施術を受けてみて、どうでしたか?」

お客さん「あまり良くなってないです。夜、寝返りする時にも痛いんです。」

お客さんが訴える股関節後ろ側は緩める事が出来たのに、股関節を伸展しようとすると股関節後ろ側に痛みが出る。

2回目の施術の仮説:寝返りが痛い=仙腸関節の動きの制限と判断

パーフェクト整体では寝返りが打てない、退位返還ができないのは、仙腸関節の動きの制限だと経験的にわかっています。そこで仙腸関節に狙いを絞り施術しました。

 パーフェクト整体を習う前なら、寝返りが打てないと言われても聞き逃してしまい、狙いを絞ることが出来なかったでしょう。

 仙腸関節を調整しようとすると、痛いのは股関節後ろなんですと言ってくるお客さん。

こういう、施術側と受ける側の意見が合わない時が辛いですよね。痛いのは間違いないので、自分の感覚は信じて、 半分はお客さんの気持ちを大事にするように気をつけて施術すると、しばらくして・・

 お客さんから「なんか楽になってきました。」といってもらえました。仮説が当たっていたということですね。

3回目の施術

5日後に、3回目の施術をしました。

 私「前回と比べてどうですか?」

 お客さん「まだ、股関節の後ろ側と右足は気になるけど、大分楽になってきました。」

 私「良かったです。歩きも違いますね。〇〇さんは、股関節の後ろを気にしていますが、この原因は腰から出た神経と骨盤の関節だと思いますよ。」

 お客さん「そうなんですね。痛くてどうなるかと思いましたが、楽になって良かったです。 今度は悪くならないよう、10日に1回通いたいです。」

 私「良いと思います。もっと良くなったら1か月に1回にしましょう!」

 この方の股関節痛は中程度だと思いますが、1回では改善出来なくても、確実に回復していきそうです。

 ところが何とこのお客さん、10日後には来院しませんでした。こちらの思うようにはいきません。

その後・・

17日後に電話がありました。

 お客さん「整形外科に行ったのですが、腰椎の4番、5番が少しずれていると言われました。治すことはできますか?」

 私「腰椎のずれは長い間かかったものなので、相当治療していかないと難しいと思いますが、今後、股関節の痛みで困らないようにはできますよ。」

 お客さん「分かりました。明日予約お願いします。」

 2週間は調子が良かったようでしたが、また痛みが気になってきたので、整形外科に受診されました。

 お客さん「整形外科でMRIはどうしますか?と聞かれたので、撮るとどうなるかと整形外科の先生に聞いたところ、治るわけではないが、理由を知る為と言われたので、撮らなかったんです。」

 私「そうですか。じゃあ、気になったらまた考えてもいいですね。」

 本当は、撮っておけば良かったと言いたかったですが、否定しない事が大事だと思い言葉を飲みました。

 お客さん「ここで、3回で良くしてもらったんだから、引き続き、しみずさんで治療してもらったらいいと思って。」

 私「分かりました。」

 それから、毎月1~2回メンテナンスで来られるようになっています。

 アンケートをお願いしたら、快く引き受けてくださいましたので載せます。

まとめ

今回は、股関節後面の痛みの原因は、仙腸関節にあった症例を紹介しました。

原因が特定できたのは、お客様が寝返りを打てないと言ってくれたので仙腸関節の異常をチェックして施術できたこと。さらに仙腸関節の状態を正確にイメージして的確に緩めることができたから。

股関節は旧関節で動きが大きい関節です。なのに痛いということは、相当負荷が増えているということ。手に負えない股関節痛の症状は、病院への受診を勧めることも大事です。。

パーフェクト整体を習ったお陰で、迷いが消え、原因特定ができ、仮説を立てて検証しながら施術できるようになりました。術者としては経過観察をしながら、ストレスなく施術ができ、通院ごとにお客様の股関節痛が薄らいでいくので本当にやりがいがあり、ありがたいです。(^^)/

股関節痛の正確な診断と施術に自信がない方は、施術に必要な解剖学を固めることから始めてみてください!

認定講師:清水剛