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整体師さんが患者さんに教える、簡単な姿勢を正しくする方法:鍛えたいなら腹横筋と腹直筋

整体院にお越しになるお客様に多い「腰痛」や「肩こり」の原因として、まず挙げられるのが「姿勢が悪いから。」でしょうか。

今回は、腰痛・肩こりの対策について、姿勢という視点でお伝えしようと思います。

病院・治療院で言われる「姿勢を良くしましょう」について考える

整体院の顧客の多くは、症状は様々ですが、1度や2度、腰痛や肩こりになった経験があると思います。

そして、腰痛や肩こりになった際には、医療機関、接骨院、鍼灸院、整体院に行かれるでしょう。

医療機関での治療や施術院での施術を受け、その後、普段の姿勢について指導されるのではないでしょうか。

例として、

– 長時間座りっぱなしで姿勢が崩れていませんか?

– 足を組んでいませんか?

– 横座りしていませんか?

– あぐらも良くないですよ〜    などがあります。

そして、

– 座る際には姿勢を正しくしてくださいね

– 足は組まないように!

– 背筋を伸ばすようにすると良いですよ!    と指導されることが多いです。

口頭で説明されると、

「なるほど!座る時は、姿勢を意識すればOKなのね!」

「背筋を伸ばすように気をつけよう!」

と思いますよね。そして実践するけれど、腰や肩の調子があまり良くならない…

患者さんの気持ちとしては、

「先生の言うことを聞いて姿勢に気をつけているのに、なんで痛くなるの!」

と思われるかもしれません。

原因はあるのですが、原因究明の前に解剖学のお話をしましょう。

整体師視点で見る❶人間の姿勢のパターン

人間の背骨は、頭の方から頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、そして骨盤(こつばん)となっています。

背骨は生理的湾曲と言って、S字カーブを描いています。

生理的湾曲とは、起立姿勢で人間の体を側面から見た時にSの字状になっていることを言います。

イラストを見てもらうと分かると思いますが、真ん中のイラストは正常な状態です。

首から背骨が前に曲がり、背中は後ろに曲がり、腰は前に曲がっています。

これは人間が二足歩行するために、上半身の重さをバランスよく保つために必要なカーブです。

整体師視点で見る❷ 反り腰にならず座れているか?

ここで、読者の整体師さんに質問です。苦痛があるお客様は、正しく座れていますか?

正しく座っているつもりの方は多いかと思います。しかし、時間と共に崩れてしまいます。これは仕方のないことなんです。

姿勢を正しくしようと気をつけるあまり、反り腰になる方もおられます。自分の臨床経験では、女性の方に反り腰になる方が多いように見受けられます。

反り腰は一見、姿勢が良いように見えますが、反り腰になりすぎて腰が痛くなったり、バランスを取ろうとして猫背になったりします。

反り腰になるのも良くないですね。

整体師視点で見る❸ 正しく座るとは?

まず、ご自身で見つけてほしい骨があります。それは坐骨です。坐骨の「坐」は漢字で書くと座るのまだれを取った字になります。

つまり、座るための骨なのです。

坐骨見つけ方は、まず立った状態で、お尻の筋肉と足の筋肉の段差に手を当ててください。

坐骨

赤丸で囲んだ部分が段差になります。段差に手を当てたら、そのまま座ってください。どうですか?ゴリゴリとした固い物はありませんか?それが坐骨です。

普段座っている際に、座面に今当たっている坐骨がありますか?当院に来られる方の多くは、「そんなの意識したことがない!」と話されます。まずは、座る際に坐骨を意識して座るようにしましょう。

しかし、ここで落とし穴があります。みなさん、座り姿勢で背筋を伸ばす際にどのようにされていますか?

背中に力を入れて背筋を伸ばそうとしていませんか?多くの方がそうされていると思いますが、背中の力を入れるばかりに腰が痛くなっていませんか?

また、背中に力を入れているのに猫背になってしまっていることはありませんか?

猫背 姿勢

「なってる!」と思ったそこのあなた!困ってますよね。でも、安心してください。改善策はあります。

まず、座り姿勢ですが、確かに坐骨を意識してほしいのは変わりません。しかし、意識するばかりに反り腰になってしまうので、

ほんの少し骨盤を崩してみましょう。とはいえ、崩しすぎてもダメです。

正しく座りいい姿勢を保つのは、背筋ではなく腹筋

先ほど記述した坐骨を見つけるやり方で、まずは座ってください。手を抜いた状態でも坐骨の固い部分を感じられますか?

わからなかった場合は何度も繰り返してください。

その状態をキープする方法ですが、背中の筋肉を使うのではなく、実は腹筋なのです。

腹筋に力を入れると腹圧が高まり、結果として姿勢を正しく保つことができます。

ただし、腹筋の使い方ですが、フルパワーで力を入れると1日どころか5分も持ちません。軽〜くお腹に力を入れて座るようにしてみましょう。

「え?難しい?」

そうですよね…なので、腹筋を上手く使えるようになるトレーニングが必要になります。

整体師さんからお客様へのアドバイス:姿勢を正しくする簡単トレーニング

いい姿勢のためには、腹筋が大事だとお伝えしましたが、腹筋を鍛えると聞くと「え〜〜〜辛そう」「腹筋をすると逆に腰が痛くなる」と思われる方もいます。

間違ったトレーニングのやり方をしている方が多いので、正しいトレーニング方法を解説します。

トレーニングなので多少は辛い部分もありますが、楽しては力がつきません。

ただし、1回に1万回やれ!というものでもなく、1回に1万回やったからといって筋力がいきなりUPするものでもありません。

必要なのは継続です!!!

姿勢維持のトレーニングに必要な筋肉は?

腹筋とはお腹の筋肉です。一般的な腹筋として前面の筋肉、シックスパックに注目されると思います。シックスパックは格好いいですよね。

むきむきのシックスパックはひとまず置いておいて、トレーニングに必要な筋肉としては腹横筋、腹直筋、腹斜筋があります。

いい姿勢を維持するための筋肉

 

全部の筋肉を鍛えたいところですが、まずは腹横筋腹直筋から始めましょう。

いい姿勢をキープする[腹横筋]と[腹直筋]のトレーニング方法

1,まず仰向けに寝ます。

2,両膝を立てます。この時に両膝はくっつけず、骨盤幅に広げてください。

3,両手をパーにして広げます。親指と人差し指を合わせて三角の形を作り、その状態で親指をおへそに当て、残りの指をお腹に当てます。中指か薬指が固い骨(恥骨)に当たると思います。いい姿勢をキープする[腹横筋]と[腹直筋]のトレーニング方法

4,お腹に当てた三角の範囲を意識し、まずお腹を膨らませるように息を吸います。いい姿勢をキープする[腹横筋]と[腹直筋]のトレーニング方法

  1. 次に、膨らませた息を吐きながら、お腹を凹ませます。凹ませる際に、三角の範囲を背骨に近づけるように意識してください。
  2. 凹ませた状態で、背骨からコルセットを締めるように腹横筋に力を入れます。
  3. お腹に力を入れた状態で胸で呼吸します。

いい姿勢をキープする[腹横筋]と[腹直筋]のトレーニング方法

腹筋のトレーニングで意識するといいのは・・・

5と6についてもう少し詳しく説明します。楕円形の風船をイメージしてください。絞り口をお尻として、机に風船を置きます。

その状態で押し潰すとどうなりますか?横の方が出てきますよね?

人間の体は横から出てきませんが、その横に出た膨らみを潰すように力を入れるということです。

どうですか?できますか?

難しかったら、6は省いても構いません。ただ、ここまでできても、7の呼吸時に力が抜けてしまうことがあります。

初めは浅い呼吸でも大丈夫です。胸で呼吸するようにしてください。

慣れてくると、お腹に力を入れていても話ができるくらいになります。

腹筋のトレーニングも楽なところから始めよう!

「これって腹筋のトレーニング?」と思うかもしれません。

腹筋のトレーニングは勢いをつけてバッタバッタとやるイメージがありますが、そのやり方だと姿勢が崩れている方には不向きですし、腰痛の原因にもなります。ですので、まずはお腹に力を入れるところから始めましょう!

繰り返してやっていくうちに腹圧が高まってきます。腹圧を高め、通常通り呼吸ができるようになったら、もう少し強度を上げてみましょう。

いい姿勢を楽に保つために腹筋の強度を上げる方法

前回の腹圧を高める方法に、さらに、プラスして上体を持ち上げるトレーニングを追加です。

<上体を持ち上げるトレーニング>

  1. 顎を引き、両手を太ももに置き上体を持ち上げ両肩の肩甲骨を上げます。

いい姿勢を楽に保つために腹筋の強度を上げる方法

  1. その状態でまず5秒我慢してみましょう。息が止まりやすいですが、止まらないようにしてください。いい姿勢を楽に保つために腹筋の強度を上げる方法
  2. 上体を下ろす際に、腹圧が抜けやすいので、頭を下ろすまで腹圧を抜かないようにしてください。

このトレーニングをまず5回やってみましょう。

<強度アップのおさらい>

– 上体を持ち上げて5秒キープ✖️5回

ぜひ頑張ってみてください。前述しましたが、大事なのは継続です!少ない回数で良いので、継続しましょう!

まとめ

今回は、良い姿勢を保つには腹筋が必要だということ。

また、無理なく腹筋を鍛えるトレーニング方法についてお伝えしました。

お腹に力を入れることを意識してできるようになったら、座った時に、お腹に軽く力を入れて座るようにしてください。

すると、今まで背中に力を入れて、頑張っていたのが、少し楽になると思います。

ぜひ意識してやってみてください!

 

この記事を書いたのは、一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会・認定講師の吉田大道です。

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