パニック障害は、突然やってきます。
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電車で突然の発作──その裏にあったもの
「また来た…」電車に乗るたび、息苦しさや動悸に襲われる。そんなパニック発作に3年前から悩まされていた20代の男性。
最初は心療内科を受診し、薬を処方されましたが、本人は服薬に強い抵抗感があり、できれば薬に頼らず改善したいという思いを持っていました。
そんな中、施術に訪れた彼に起きたのは──
たった1回の施術で、発作の症状がぐっと軽くなったという“予想外の変化”だったのです。
えっ、肩甲骨でパニック障害がよくなるの!?
「まさか肩甲骨の硬さが関係してるなんて…」彼自身も最初はそう驚いていました。
じつは、肩甲骨は「肩甲胸郭関節」として、肋骨と連動して動いています。この関節がガチガチに固まっていると、肋骨もスムーズに動かなくなり、結果として「呼吸が浅く」なってしまいます。
呼吸が浅い状態が続くと、自律神経が過剰に反応し、ちょっとした刺激で交感神経が優位になります。この状態こそが、パニック発作の引き金になっていたのです。
呼吸の浅さがパニック障害の誘因という衝撃
彼のケースを通して、私自身も大きな気づきがありました。それは、「呼吸が浅いこと自体が、原因じゃなく“結果”だった」ということ。
体の構造的な硬さ、特に肩甲胸郭関節や背中まわりの動きの悪さによって、胸郭の動きが制限され大きく呼吸できなくなって、酸素をうまく取り込めなくなる。。。この呼吸の質の低下が、パニック障害の誘因になっていたのです。
自律神経は「骨の動き」で変えられる?
一般的には、自律神経の乱れというと、ストレスや精神的な要因が注目されがちです。でも、自律神経は背骨の周り、つまり「体幹部」の神経ネットワークと密接につながっています。
特に注目すべきは「腕神経叢(わんしんけいそう)」。腕神経叢は、首から出た神経が鎖骨の下を通って腋窩に集まり枝分かれする神経の習合地帯でもあり分岐部でもあります。ここが圧迫されたり緊張状態のままだと、自律神経のバランスも崩れやすくなります。
肩甲骨まわりの筋膜や筋肉が柔らかくなれば、神経の通りもスムーズになり、不自然な交感神経の緊張状態を、抑えることができます。
そんなメカニズムからも、「肩甲胸郭関節=パニック障害改善のカギ」という仮説が成り立ちます。