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【整体 肘痛】肘の臨床完全ガイド:3つの関節チェック法と臨床の盲点(症例付き)

肘の痛みは、臨床において「テニス肘」や「ゴルフ肘」と一括りにされがちですが、実際には腕尺・腕橈・上橈尺という3つの関節の複雑な運動連鎖が絡み合っています。

この記事では、正確なアプローチのためのランドマークの見つけ方から、指先で骨を捉える「ホネホネ感」の極意、そして見落としがちな施術ポイントまで、肘痛攻略について詳しく解説します。

肘施術の土台:ランドマークと3つの関節チェック法

肘を攻略するには、まず正確な「地図」が必要です。以下のランドマークを確実に捉え、3つの関節の状態を評価することから始めます。

肘の施術の時に必須のランドマークの見つけ方

引用:https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_anatomy/elbow/

ランドマーク1:上腕骨内側上顆

まず、脇から肘に向けて上腕骨の内側を触りましょう。肘の内側あたりでボコッとした部分にあたると思います。これが、内側上顆。ここまではまだ上腕骨ですね。そのボコッとした部分を超えて触れるのは尺骨です。

この内側上顆は、前腕の屈筋群の起始部になっています。グーパーしてみたら筋肉がぴくぴく動く感じがわかります。そのため、尺骨の触診は、これらの筋群ごしになるので、少し分かりにくいかもしれません。

ランドマーク2:橈骨頭

今度はそのまま内側上顆から、肘の外側に手を移してみます。外側には外側上顆があるのですが、内側上顆のようなボコッとした手ごたえはありません。

でも、そこから橈骨の方に少し降りると、なにやら段差のようなものを感じると思います。これが橈骨頭になります。ちなみに橈骨も尺骨も、肘の前面はだいたい同じ高さです。

ランドマーク3:肘頭窩(上腕骨)

次は、肘頭を触ります。まず、肘の一番とんがった部分を触ってみて下さい。格闘家が肘打ちなどで攻撃するあの硬い部分が尺骨になります。

目的の肘頭窩は上腕骨なので、肘頭から上腕骨を触ると、小さなくぼみが見つかると思います。これが肘頭窩(ちゅうとうか)になります。触るときは肘を伸ばしたままの方が、分かりやすいでしょう。

ランドマーク4:鈎状突起(尺骨)

いよいよ残すところは、鈎状突起です。肘の最難関ランドマークと言っても過言ではないやつです。鈎状突起は、肘の前面にあるので、まず、先ほどの内側上顆を目印に、尺骨の前面を触ります。

位置的には、肘を曲げた時にできるしわより下で探して見て下さい。あると思って触ると、なんとなく八の字型の段差のような引っ掛かりがあると思います。

チェックすべき3つの関節

  1. 腕尺関節: 肘の屈伸運動の主軸

  2. 腕橈関節: 橈骨の転がりと滑り。テニス肘に関与

  3. 上橈尺関節: 前腕の回内・回外のキー

肘を構成する関節は、上記の3つです。壊れた肘(苦痛がある肘)を見るとき、まずこの3つのどれが壊れているか見ないといけません。(基本的に壊れるときは3つ一緒が多いです)前術の4つのランドマークを参考にしながら、実際に関節を見つけて触ってみましょう。

<1>腕尺関節(上腕骨と尺骨)

一般的に肘の関節というと、ここを指します。上腕骨と尺骨の間の関節で、前面は鈎状突起、後面は肘窩がランドマークになります。

動きとしては肘の曲げ伸ばしです。(屈曲・伸展)だから、曲げ伸ばしで、肘に痛みがあるなら腕尺関節を必ずチェックします。

<2>腕橈関節(上腕骨と橈骨)

こちらは先程の腕尺関節を助けながら、この後説明する<3>の上橈尺関節の動きも助けます。つまり、曲げ伸ばしと腕のねじる動き(回内・回外)の両方を少しずつ補佐するのです。上腕骨と橈骨の間なので橈骨頭がランドマークになります。

<3>上橈尺関節(橈骨と尺骨)

こちらは橈骨と尺骨の間の関節なので、回内と回外の動きになります。だから、雑巾絞りやドアノブを回す動きなど、ねじった動きで問題がある場合は必ずチェックしてください。

ちなみにこの回内と回外という動きですが、尺骨は動かず、橈骨だけが尺骨の周りを動いています。そして、その回転軸は、橈骨頭と豆状骨(手首の小指側の骨)になっています。豆状骨は手首の3本のシワのうちの一番遠位のシワの先で第5中手骨のラインをなぞって探します。

肘の3つの関節のチェック方法

肘のトラブルで来られたら、関節は3つとも壊れていると思って、3つの関節を全てチェックしてください。

<1>腕尺関節

例えば、肘の曲げ伸ばしで、痛みを訴えるのなら、まず腕尺関節をチェックします。

腕尺関節をチェックするってどういうことなのか?腕尺関節を見るときは、肘窩と鈎状突起を目印に上腕骨と尺骨の隙間【肘窩】の幅をチェックします。

肘窩の位置は肘頭と上腕骨の間の部分でした。ここに術者の指先を軽く入れて隙間をチェックします。鈎状突起も同じです。肘窩は肘の裏側、鈎状突起からは肘の表側、両面を触診して腕尺関節の隙間をチェックします。

どちらも上腕骨と尺骨との間を診るわけです。特に最初は肘窩の方が分かりやすいので、患側と健側と比べて隙間の大きさが健側と患側でどう違うか診て下さい。

<2>腕橈関節

腕橈関節をチェックするときは、橈骨頭を目印に上腕骨と橈骨の間を見ます。これは<1>と同じで、隙間だけの話なので、術者の第2指が上腕骨、第3指が腕頭関節の隙間、第4指が橈骨頭に来るようにセットして、優しく触って感じてください。

橈骨頭と上腕骨との間は僅かなので、腕橈関節の隙間を感じる事が出来るはずです。幅は広いのか狭いのか?前後左右の隙間は均一化?分からないときは、痛くない方の腕橈関節と比べてみてください。

<3>上橈尺関節

ここは尺骨に対して、橈骨の位置をチェックします。それは橈骨が前方に行っているか、後方にいっているのか、回内は動くけそ、回外に行きずらいなどです。尺骨に対しての橈骨頭の動きは回内、回外共に90度と、動きの幅がとっても広いです。

腕尺関節と腕橈関節は隙間を見て判断しましたが、上橈尺関節は尺骨に対して、橈骨頭が正しい位置で回内・回外が十分できるかをチェックします。

熟練者の指先:骨の輪郭を捉える「ホネホネ感」

知識を技術に変えるのが、指先の感覚(ホネホネ感)です。筋肉や軟部組織の緊張に惑わされず、その奥にある「骨の角(かど)」や「関節の隙間」を感じ取ることが重要です。

  • 骨を「観る」ように触れる: 指先を沈め、骨の質感やエッジを鮮明にイメージします。

  • 関節の隙間の左右差: 左右の肘を比較し、どちらの関節が隙間が広いか狭いか、あるいは関節本来の「遊び」がないかを指先で感じ取ります。

臨床の盲点:まさかの「骨間膜」と「肘筋」

肘そのものに原因がない場合、以下のポイントが真犯人であるケースが多々あります。

  • 前腕骨間膜のねじれ: 橈骨と尺骨の間の膜をリリースすることで、肘の詰まり感が一気に解消します。

  • 肘筋(ちゅうきん)の固着: 小さな筋肉ですが、尺骨の回旋を妨げる大きな要因となります。学生時代のスポーツでの無理など、オーバーユースの場合に診られます。

症例報告:右肘外側の激痛をパーフェクト整体で解消

症例:ドアノブを回すのも辛い男性

外側上顆炎(テニス肘)と診断され、数ヶ月治らなかったケース。

施術のプロセス

  1. ランドマークを確認し、腕橈関節の「隙間」が消失していることを特定。

  2. 「ホネホネ感」を頼りに、前方へ変位した橈骨頭を微調整。

  3. 骨間膜の緊張を取り除くことで、肘の回内・回外の可動域が劇的に復活。 結果、計4回の施術で、日常生活での痛みは完全に消失しました。

臨床で多い症状の参考記事

【テニス肘】

【上腕二頭筋の痛み】

まとめ:1ミリの「遊び」が肘を救う

肘の臨床は、マッサージではなく「関節の空間の再構築」です。ランドマークを正しく捉え、3つの関節に「正しい位置」で「1ミリの遊び」を作ること。そのための指先の感覚を磨き続けることが、難治性の肘痛を救う唯一の道です。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いたのは、片平悦子です。

肘を考えるヒントとして、動画でも説明してみました。

整体 肘痛

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