【整体肘痛】肘痛の原因の見つけ方、まさかの〇〇が施術ポイント?とは.. これ以上できないくらい詳しく解説してみた
あなたの整体院に肘が痛いお客様が来院されたら、あなたはどうやって診断し原因を特定して施術していますか?
今回は、肩こりや腰痛には自信を持って整体での施術できるけど、肘痛の施術でお困りの整体師さん向けに、パーフェク整体®︎での検査の方法や原因、症状別の施術法を伝えます。
目次
肘痛の原因を探るため、肘を構成する3つの骨と3つの関節をチェック
原因を特定するためには、まず解剖に忠実に診断しないといけないです。まず、肘の解剖をわかりやすく説明します。
肘痛だからと言って原因を調べずにいきなり施術してはいけません。
必ず原因を見つけること。原因がわかれば、その解消法が「治し方」になります。
肘痛の時は肘関節にトラブルが起こっているので関節の構造を説明しましょう。
肘は小さい個所ですが3本の骨で構成されています。
⚫︎上腕骨
⚫︎橈骨
⚫︎尺骨
関節も3つあります。
⚫︎腕尺関節
⚫︎腕橈関節
⚫︎上橈尺関節
筋肉にいたっては、それどころではない数が上腕・前腕とありますよね。
人体でも、こんな色々なものが密集している関節って、あまりないんじゃないんでしょうか。
だから、肘の施術はかなり正確な解剖学的知識が求められる!ってことです。まさに整体師泣かせ、、
今回はわかりやすいように、僕の院に来院されたお客様の例でお伝えします。
<症例>右肘の内側が痛い女性
肘痛の症状は、右肘の内側上顆のあたりが痛いという50代女性 事務職
肘が伸ばしにくく、手をつくと手首も痛いとのこと。
肘痛の原因を探るのに、どこから見ればいいのか?肘痛の原因がわからなければ施術できませんよね。そこで
①どう動かせば痛いのか
②どこに痛みがあるのか
を知ることが重要になってきます。
順番に行きたいと思います。
①どう動かせば痛いのか → 肘を伸ばすと痛い(肘関節伸展)
肘を伸ばすと痛いというのはどの関節が悪いのでしょうか?
⚫︎腕尺関節は屈曲・伸展
⚫︎腕頭関節は屈曲・伸展+回内・回外
⚫︎上橈尺関節は回内・回外
肘の曲げ伸ばしが調子悪いという方は、腕尺関節と腕頭橈関節がトラブってるってことです。
②どこが痛いのか
肘の内側が痛いとはどういう事でしょうか。内側上顆は前腕屈筋群の起始ですね。
円回内筋や撓側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋
起始は肘の内側ですが、どうだったかな?という方は解剖書でチェックして下さい。
とにかく肘の内側が痛いのなら、この辺りの筋膜をチェックして癒着を見つけること。筋膜は癒着があると痛いので、癒着部位が痛みの原因です。
つまり、癒着をリリースするのが施術となります。
表面の筋膜の癒着をリリースしたのにまだ痛い時は、3つの関節の位置と動きに異常がないかを診断してください。
⚫︎腕尺関節は屈曲・伸展
⚫︎腕頭関節は屈曲・伸展+回内・回外
⚫︎上橈尺関節は回内・回外
関節については後ほど詳しく説明します。
これが、局所だけを診た時の判断です。
その上で、パーフェクト整体的に肘の内側が痛い時に、必ずチェックが必要な所が別にあります。
肘痛の隠れた原因:肩甲胸郭関節
なにゆえ肩甲胸郭が肘と関係あるの?と思われるかもしれませんが、パーフェクト整体の創始者片平悦子の35年以上の臨床経験では、野球肘やテニス肘など使いすぎや肘の事故・怪我でなければ、間違いなく[第1原因は肩甲胸郭関節]だと言います。
肘が悪くなる時は肩甲骨の動きが悪くなっているんですね。
肩甲骨がちゃんと動いてくれないから、腕が頑張らないといけなくなって、その負担が肘の内側にかかるそうです。
実際、僕も、臨床でその通りだと感じています。
ついつい痛みを訴える箇所にばかり目がいきがちですが、意外な原因です。
逆にいうと、肩甲胸郭関節を見逃すと、施術時は楽になるけど、使うとまた肘の痛みがぶり返すのを日常的に目にします。
手ごわそうに感じた肘痛の症状が、局所の筋膜・関節そして遠因になる肩甲胸郭関節と、一つ一つ皮をむいていけばいつのまにか攻略可能な可愛いやつに感じてきたのではないでしょうか。
ただ、実際に肘に触る前に注意点がひとつあります。
医療機関でつけられた、肘痛の診断名に引っ張られ過ぎない
今回の50代女性の方も、来院前に他の整骨院や整形外科に行っており、テニス肘やらゴルフ肘と診断されて、それ用のストレッチを色々してきたとか、レントゲン上は特に問題はないが少し関節の隙間が詰まっている感じががする、と言われたそうです。
もちろん、参考にはしますが、自分でもしっかり検査してみてください。実際に患部に触ってみて
⚫︎関節の隙間はどうか
⚫︎骨や筋肉のゴツゴツ感はあるのか
⚫︎肘関節の重さはどうか
などを臨床ではチェックします。そこから得られる生の情報の方が、100万倍施術では役にたちます。
どうチェックするのか? では、一つずつ解説していきますね。
肘痛の原因を探る診断法 -1: 関節の隙間はどうか?
前回書いたように、来院された患者さんの訴えに肘を伸ばしにくいという物がありました。そのためそれを担う腕尺関節から状態をチェックしましょう。
何をチェックするのか?関節の詰まり具合です。
肘の詰まり具合ってなんぞや?と思うと思います。
曲がりにくい伸ばしにくいはイメージ付くけど、、、、実は、肘の詰まり具合は簡単にチェックすることができます。それは、肘窩の隙間をみるのです。
腕尺関節は、まず後面の肘窩をみるのが一番分かりやすいと思います。
肘窩を触って、どれくらい隙間があるかチェックしてください。
ここが広ければ、肘関節は広がっていると判断し、施術は狭めてあげる。狭ければ広げてあげる施術が必要です。
さて、実際に肘窩のくぼみに指を入れてチェックすると、ある問題に直面すると思います。
このくぼみの幅、これは、狭いのか?広いのか?問題。
一つの答えを先に書くと、健側と比べてどうかになります。
痛くない方(健側)の肘の隙間に合わせて検査します。
もし両肘に症状があった場合はちょっと慣れが必要になりますが、おおよその目安として、患者さんの人差し指が少し肘窩のくぼみに沈む幅くらいが正常だと思ってチェックしてみて下さい。
次は腕橈関節の隙間を検査します。腕橈関節も肘の曲げ伸ばしに作用していますから。
腕橈関節は、橈骨頭の先を触った時、上腕骨の外側上顆との間の部分の幅を検査します。
これまた、判断が難しいのですが健側と比べて見て下さい。ちなみにここは、肘窩よりは少し狭いのが普通です。
さて、関節のチェックが終ったら、次は肘の筋膜や触った感触をチェックしましょう。
肘痛の原因を探る診断法 -2: 骨や筋のゴツゴツ感
次は、肘関節の骨にゴツゴツした感じがないかを感じていきます。
ゴツゴツした感じって何ぞや?と思われた方もいるのではないでしょうか。
関節が悪くなると、それをとりまく骨や筋膜・靭帯などが硬くなり、関節そのものの動きが制限されます。
すると、触った感じが明らかにゴツゴツして硬い感じが出てきます。(ちなみにこれを、パーフェクト整体的にはホネホネ感と言います)
この硬さを、肘を触った時に感じるかどうかチェックしてみます。さて、ホネホネ感はどこにあるでしょうか?
- 上腕骨ですか?
- 肘頭ですか?
- 橈骨ですか?
- 全体ですか?
ホネホネ感がある部分は、治療ポイントとなるので必ず感じて見つけて下さい。
肘痛の原因を探る診断法 -3: 肘の重さはどうか?
肘を持った時の重さの感じもとても重要です。
仰向けで寝たの患者さんの上肢を、肘をすくい上げるように持ってみましょう。
悪い側の肘もしくは腕は少し重く感じます。正常な関節は柔らかくしなりがあり、持ち上げると肘だけの重さを感じます。
一方で、肘が壊れていると腕のしなりがなくなり、上肢が一本の棒となり肘から先、 全ての重さをズシっと感じるはずです。
施術中に何気なく持った肘に重さを感じたら、それは症状を訴えてなかったとしても要チェックポイントです。
以上が、肘の感じるポイントになります。
症状や訴えに対して、どの関節や筋膜に問題があるのか判別する基準を書きました。
ここまで、悪くなっている肘関節や膜の感じ方・診断法から肘痛の原因を見つける方法について書いてきました。
肘痛の治し方
肘痛の原因が特定できれば、あとは、あなたがお持ちの手法で関節や筋膜を緩めてあげれば、一見厄介そうだった肘の症状も、意外と順調に改善して行きます。
癒着している膜をリリースして、痛くない方の肘と同じ状態にして下さい。
関節の隙間をチェックして、痛くない方の肘と同じ感じになるように施術してみて下さい。
再検査すると、痛みが減るか消失しているのが普通です。
まとめ
肘痛の患者さんが来院された時、どこをどのように検査・診断して原因を特定するのかについて詳しく書きました。
原因が特定できれば、自ずと「治し方」が決まります。
今回は「治し方」については深く言及していません。あなたが習った整体でのやり方があると思うからです。
もし、特にこれという肘に対するテクニックがない!という先生はぜひ、パーフェクト整体®︎で提供しているPDFで学んでみてください。肩甲骨の緩め方や肩甲胸郭関節の調整法に加え、肘のテクニックが学べます。
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この記事を書いたのは、パーフェクト整体®️認定講師:森鎌 丈雄でした。
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