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【整体 五十肩】腕が上がらない・後ろに回らない原因を解剖学的アプローチ

五十肩の臨床で遭遇頻度が最も高い「前方・横から腕が上がらない」「結帯動作で後ろに手が回らない」という可動域制限。立って万歳できるのに寝るとできない理由など、臨床の盲点となる解剖学的要因を解説。治しきれない後ろめたさを卒業する臨床戦略をお届けします。

五十肩の患者さんを施術していて、一番遭遇する頻度が高いのが「肩が固まって動かない」という可動域制限のお悩みです。

「前からも横からも、腕が水平より上に上がらない」 「エプロンの紐が結べない、ズボンを後ろから引き上げられない」

こうした患者さんを前に、教科書通りのストレッチをしたり、肩回りの筋肉を熱心に揉みほぐしたりしても、可動域がなかなか変わらない……。「リピートされても治し切る技術がなくて、次回の予約を促すのが後ろめたい」と、現場で心苦しさを抱えていませんか?

施術家はついつい訴えられる【局所の筋肉】にとらわれがちですが、実は挙上制限や結帯動作の制限には、筋肉を揉むだけでは解決できない「3つの深層膜のロック」や「重力による骨格ポジションの変化」が隠されています。

この記事では、臨床で絶対に避けて通れない「上がらない・後ろに回らない」制限について、解剖学的な根本原因と見極めのポイントをまとめて解説します。

五十肩の原因特定から導く全体的な臨床戦略(総論)をまず知りたい方は、こちらの親ページをあわせてご覧ください。 → 【整体 五十肩】「治しきれない」を卒業する!原因特定から導く臨床戦略(総論)

1. 腕が上がらない(挙上制限)3方向の要因と納得を生む説明の極意

腕が上がらないと一口に言っても、患者さんの「上がらない方向」によって、中で起きているトラブルの場所は全く異なります。臨床では、以下の3方向の要因を正確に見極める必要があります。

  • ① 前方から上がらない(屈曲制限):主に肩甲上腕関節の後方関節包や、広背筋・大円筋などの短縮、また胸椎の後弯ロックが影響します。

  • ② 横から上がらない(外転制限):肩峰下インピンジメント(衝突)が起きています。腱板(棘上筋など)の通り道が狭くなっているか、肩鎖関節・胸鎖関節がロックして鎖骨が上手く沈み込まないためにロックがかかります。

  • ③ 斜め後ろに手が届かない:日常生活で「上着の袖に手を通す」ような動作です。これは回旋運動も加わるため、最も重症化しやすく時間がかかる場所です。

納得を生む「症状説明」の極意

なかなか可動域が変わらない長丁場の施術だからこそ、先生の頭の中の見立てを言葉にして患者さんに伝えることが大切です。 「今、肩の中で骨同士の衝突事故が起きている状態なんです。無理に動かすと余計に硬くなるので、まずはこの衝突を外す土台作りから始めますね」と説明してあげることで、患者さんは「だから他で揉んでも治らなかったんだ!」と深く納得し、信頼して通ってくれるようになります。

2. 臨床の盲点:「立って万歳できるのに、寝るとできない」のはなぜ?

臨床で患者さんに「立って万歳してみてください」と言うと、耳の横までスッと上がるのに、ベッドに仰向けで寝てもらうと「あれ?上がらない……」となる不思議な現象に出会ったことはありませんか?

「立ってできるなら、関節の固着ではないのでは?」と混乱してしまうかもしれませんが、ここに見落としてはならない「全身の連動と重力の影響」が隠れています。

なぜ、寝た状態だと上がらなくなるのか?

立った状態での万歳は、無意識のうちに「腰椎を過剰に反らせる(骨盤の前傾)」「肋骨をすくい上げる」という代償動作を使って、上がらない肩の可動域をカバーできてしまうのです。 しかし、仰向けに寝ると、背中や腰がベッドに固定されるため、これらの代償動作(逃げ道)が使えなくなります。その結果、純粋な「肩甲上腕関節」や「肩甲胸郭関節」の本当の固さ(可動域制限)が剥き出しになるのです。

「仰向けで上がらない」のが、その患者さんの本当の肩の実力です。この代償動作の有無を見極めることで、アプローチすべき本丸が見えてきます。

3. 後ろに手が回らない(結帯動作)を引き起こす解剖学的3つの原因

「トイレの後始末ができない」「後ろのポケットの財布が取れない」など、結帯動作の制限は患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させます。 結帯動作は【伸展・内転・内旋】という3つの動きが複合した、肩関節の中で最も複雑な動作です。これが制限される解剖学的な原因は主に以下の3つに集約されます。

① 肩甲上腕関節の前方関節包・靭帯の縮こまり

腕を後ろに回すとき、上腕骨頭は前方に滑りながら内旋する必要があります。しかし、関節を包む「前方関節包」や「烏口腕靭帯」などがガチガチに硬化していると、骨頭の前方へのスライドがブロックされ、物理的に後ろへ回らなくなります。

② 肩甲骨の下方回旋・内転のロック

結帯動作の後半では、肩甲骨が内側に寄りながら下を向く(下方回旋・内転)連動が起こります。菱形筋や肩甲挙筋、あるいは前鋸筋のアンバランスによって肩甲骨が外側に開いたまま固まっていると、腕の動きにブレーキがかかります。

③ 肩鎖関節の可動性消失

前述の外転制限と同様に、後ろに手を回すときも鎖骨と肩甲骨の継ぎ目である「肩鎖関節」がミリ単位で動く必要があります。ここがロックしていると、いくら肩関節のインナーマッスルを緩めても、最後のひと伸びが届きません。

動画で説明した内容もお役に立てると思います。

↓ をタップしてチェックしてください。

整体 五十肩 結帯動作

4. 横から腕が上がらない五十肩の解剖学的2つの原因と、やりがちな3つの落とし穴

腕が横から上がらない五十肩は、横向きで寝ることが不自由になり、肩関節内で「衝突事故」が起きています。

① 肩峰下(けんぽうか)でのインピンジメント(衝突)

肩のインナーマッスルである腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)は、肩峰の下という非常に窮屈なスペースを通っています。

この通り道が狭くなっていると、上腕骨を外転させていくときに腱板がうまく働けず、カチンと骨同士がぶつかってしまう「肩峰下インピンジメント症候群」のような状態が起こります。これがガツンと動けない痛みの正体です。

② 肩鎖関節・胸鎖関節の連動エラー

腕を横からスムーズに上げるためには、鎖骨の動きが欠かせません。 健康な体であれば、腕を上げていく途中で鎖骨が下に落ち、肩峰がグッと上に回ってくる連動が起こります。

しかし、この「肩鎖関節」や、その根元である「胸鎖関節」がガチッと硬いままだと、どこかでロックがかかり、それ以上は動かなくなってしまいます。

肩峰下だけを見るのではなく、鎖骨の端から端まで(胸鎖関節・肩鎖関節)がトラブっていないかを見極めることが非常に重要です。

落とし穴①:痛い角度のまま無理に施術してしまう

肩鎖関節を早く改善させたい一心で、患者さんが「痛い!」と顔をしかめる角度のまま、気づかずに操作を続けてしまうことがあります。

しかし、患者さんが痛みを我慢すると、体にグッと変な力が入ってしまいます。これでは本来緩むはずの組織も緩まなくなってしまいます。

落とし穴②:安易にアイロン体操などを勧めてしまう

「肩関節が詰まっているなら、重りで引っ張って離せばいいのでは?」と患者さんがアイロン体操を急激にやっていたり、もしくは先生が関節が悪いままアイロン体操をさせてしまったりすると、かえって炎症を悪化させ、夜間痛を強めてしまうケースがあります。時期の見極めが必要です。

落とし穴③:患者さんに言われるがまま「三角筋」を揉んでしまう

患者さんはよく「この辺(三角筋のあたり)が痛いんです」と訴えます。だからといって、そこを一生懸命にグリグリと揉んでしまうのは禁物です。

本当に悪いのは関節の奥(ロック)だったり、肩甲下筋や大胸筋の停止部であり、三角筋はそこをかばって硬く固まることでバランスを保っています。

その浅い位置で、守ってくれている筋肉だけをいきなり緩めてしまうと、支えを失った本丸の悪い部分(肩甲下筋や大胸筋の停止部など)が余計に痛くなってしまうのです。

三角筋の痛みを訴えられた時、「これは関節の放散痛ではないか?」とプロとして慎重に計算しながら、痛みの原因がどこにあるかを見極める必要があります。

動画で確認したい方はこちら↓

五十肩 整体 横から腕が上がらない

可動域制限を打破するパーフェクト整体流アプローチ

パーフェクト整体では、これらの可動域制限に対して、筋肉をグリグリとマッサージするアプローチは行いません。 当協会が提唱する3大メソッドに基づき、以下のように段階を踏んで施術していきます。

  1. 第1メソッド:透視検査法(立位と仰臥位での万歳の差を見比べ、どこが真のロックか特定する)

  2. 第2メソッド:3種の深層膜リリース法(硬化した関節包や靭帯の深層に触れ、優しく解放する)

  3. 第3メソッド:骨格リポジショニング法(上腕骨頭を受け口である関節窩の正しい位置へ誘導する)

施術の具体ステップ

  • ステップ1:背骨と肋骨(土台)をフリーにする 肩甲骨が自由に動けるように、まずは脊椎の椎間関節や肋椎関節を整えます。特に仰向けで万歳ができないケースでは、胸椎の可動性を出すことが最優先です。

  • ステップ2:骨頭の「ニュートラルポジション」を見つける 詰まって衝突している上腕骨を、無理に引き伸ばしたり痛い角度でギューギュー押したりしてはいけません。患者さんが変に緊張して、本来緩むものも緩まなくなります。骨頭が正しい位置にカチッと収まるポイント(受け口に対して正しい位置)へと誘導し、そこでじわっと深層膜のロックが外れるのを待ちます。

  • ステップ3:鎖骨の連動(胸鎖・肩鎖関節)を戻す 胸鎖関節からチェックし、動きがついたら肩鎖関節へとアプローチをつなげ、腕の回転軸を正常化させます。

このように骨組みを正しい位置に戻して正常な動きをつけていけば、1回で魔法のように全治とはいかなくても、段階を追って確実に可動域は広がっていきます。

治しきれない不安を抱えている先生へ

可動域がガチガチに固まった五十肩の患者さんを前にすると、「本当に自分の技術で上がるようになるのだろうか」と、施術しながら自信をなくしそうになることもあるかもしれません。

現状維持の無難なマッサージでお茶を濁したくなる気持ちが湧くのも、決して先生が怠慢だからではなく、患者さんを壊したくないという優しさの裏返しです。

でも、技術迷子になるのはもう終わりにしましょう。 必要なのは、巷にあふれる「触れば一瞬で変わる」といった裏技のようなテクニックではありません。なぜ上がらないのか、なぜ寝るとロックがかかるのかという「解剖学的な構造」を丁寧に紐解き、原因をミリ単位で特定していく確かな視点です。

プロとしての見立てに基づき、自信を持って患者さんに「今の状態」を説明し、一歩ずつ骨格を正しい位置へリポジショニングしていけば、体は必ず応えてくれます。患者さんと二人三脚で、笑顔で万歳ができる日を目指していきましょう。

 FAQ

Q1. 結帯動作(後ろに手が回らない)の施術時、痛みを強く訴えられます。どこからアプローチすべきですか? A1. 肩を後ろにねじる動作は最も痛みを誘発しやすいため、痛い角度で無理に施術するのは厳禁です。まずは肩そのものではなく、土台である胸椎や肩甲骨(肩甲胸郭関節)の動きを出し、腕を後ろに回したときに肩甲骨が一緒に逃げてくれる(連動してくれる)環境を先に作ると、肩関節局所へのストレスを減らすことができます。

Q2. 立って万歳ができるなら、日常生活に困らないのでは?なぜ寝た状態の可動域にこだわるのですか? A2. 立って万歳ができているのは、腰や肋骨を無理に反らせる「代償動作」でカバーしているに過ぎず、肩関節そのものは悲鳴を上げています。この状態を放置すると、いずれ代償している腰や背中にも痛みが波及したり、肩の関節包の固着(凍結肩)がさらに進行して、本当に腕が上がらなくなってしまいます。医療的な効果の断定はできませんが、根本原因を解決するためには、重力の影響を排除した仰向けでの純粋な可動域を評価し、調整していくことが臨床上とても重要です。

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この記事は、片平悦子が書きました。

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