【整体経営】お客様の本当のゴール、あなたは知っていますか?
整体の仕事をしていると、つい「治すこと」に集中してしまうことってありませんか?施術家にとって、技術は、もちろん大切な部分だし、治すことに集中することはいいことです。
ですが、施術に当たって「ゴールは治すこと」と思っていると、お客様との関係性で損をしたり、リピート機会損失を招いたりすることがあります。
そこで今回は、お客様の真のニーズ(ゴール)について、私見を書きます。
目次
お客様と施術家のゴールの違い
施術家は、お客様の痛みやしびれが改善することがゴールと考えていることが多いです。
でも、お客様がリピート通院してくださるうちに、痛みだけでなく、仕事や家事・部活などを何不自由なくこなしたいなど、より具体的な目標(ゴール)を持っていることに気づいた・・あなたは、そんな経験はないでしょうか?
なぜ ゴールが異なるのか?
なぜ、施術家とお客様で、このような違いが生じるのでしょうか?
それは、施術家の「常識」や「思い込み」が原因です。専門学校で学び、長年の経験から施術家の「当たり前」=「治すことがゴール」が、無意識に形成されてしまいます。
でも、お客様は、整体院が大好きだというわけではありません。なんらかの理由(お客様のゴール)があって、痛みがゴールに行くための障害となって、その障害である痛みを自分では除去できないから、仕方なく整体院に行き、「〇〇が痛いんです」と訴えます。
施術家が「治すことがゴール」と思っていると、「〇〇が痛いんです」と訴えたその言葉だけを受けて止めてしまい、お客様が通う理由(お客様のゴール)を聞くこともなく終わってしまいます。
あるいは、施術家が、自分のゴールがお客様のゴールと一致していると、勝手に信じてしまっている場合もお互いのゴールのズレに気づくことが難しいです。
ゴール設定の違いがもたらす影響
ゴール設定の違いは、治療の進捗やお客様の回復度合い、そしてお客様との信頼関係に少なからず影響を与えます。
お客様の目標(ゴール)を理解せずに治療を進めてしまうと、治療効果が十分に得られなかったり、お客様から信頼を失ったりする可能性があります。
それが、結果として、売上の違いや、クチコミ・紹介の差になってきます。
例えば、「昨日捻挫したんです」と来院した高校生男子の言葉だけを聞いて、施術したとします。先生は、いつもの捻挫の施術だけして終了しました。
でも、この高校生男子の来院のゴールは[3日後の試合で活躍すること]だとすれば、もっとアドバイスできることがあるかもしれないし、注意点を説明した方がいいこともあります。
施術後、楽になったようでも、毎日来てもらってより確実に改善することが、試合で活躍する(ゴール)ことにつながる場合もあります。
お客様のゴールを把握する方法
かと言って、他人が何を考えているかなんて誰にもわかりません。当然、お客様のゴールは分からないです。お客様の側も、初対面の先生に聞かれなければ言うこともないでしょう。
そこで、シンプルに、お客様に直接お客様のゴールを尋ねてみましょう。5秒で解決できる簡単な方法です。どう聞けばいいのでしょうか?
例えば、「その痛みがなくなったら何がしたいですか?」などと聞けば、答えてくださいます。
施術者の思い込みがもたらす弊害
施術者の思い込みは、お客様だけでなく、施術者自身にも悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、お客様がもっと継続して通院したいと思っているにも関わらず、施術者が勝手に治療を終了させてしまう可能性があります。
お客様の本音を聞き逃し、お客様の気持ちに配慮しない施術をしてしまうかもしれません。
施術家の思い込みによる損失
人は、誰でも、自分の考えが正しいと思い込む傾向があります。
この思い込みは、物事の見方や判断を歪めてしまい、時には大きな損失につながる可能性があります。
例えば、体の痛みや痺れがある方が通院して改善しました。。。
治すことがゴールの施術家が、ゴールまで到達して安堵し、「良くなったので、もう来なくていいですよ。また辛くなったら来てください」と言ったとしましょう。
でも、お客様のゴールが「自分の健康管理を任せる院を見つけて、メンテナンスをし、定年まで元気に働くこと」だったとしたらどうでしょう。
せっかく『いい院を見つけた、ずっとお世話になろう・・』と思っていたのに「来なくていいですよ」と言われたら、見放された気分で、ガーンと頭を殴られたようなショックを受けることでしょう。
お客様を失う可能性
もし、お客様のゴールを理解せずに治療を進めていたら、多くのお客様を失ってしまうかもしれません。お客様は、もっと治療を受けたいと思っているのに、施術者が勝手に、治療を終了させているかもという視点で、今までのお客様のカルテを見直してみましょう。
私も以前は、卒業させることをゴールにしていたことがありました。
そこで、よくなると満面笑みで「よかったですね。今日で卒業できますよ。あとは自分の意思で、メンテナンスに通ってもいいし、辛い時に来てもいいし、ご自分で選択してくださいね」と言っていました。
するとある時、あるお客様から言われたんです。「なんだか、突き放されたようで悲しい、、、ショックです」と。当時私は、いいことをしていると思っていたのに、悲しい思いをさせていたと知って、私の方がショックでした。
教訓を生かす
この経験から、私は以下の2つのことを意識するようになりました。
- 来院時には必ず、お客様の症状、身体の状態、そしてゴールについて詳しくお聞きする。
- 決して、自分自身で勝手に思い込まない。
意識してお客様に寄り添い同じゴールを目指す
お客様のゴールを聞き、お客様の気持ちに寄り添うことは、治療の基本です。例えば
- 痛みなく仕事に集中したいのか?
- 趣味の〇〇を思う存分やりたいのか?
- 自己管理やセルフケアを知って健康維持したいのか?
- 痛みがなくなったら孫と公園で遊びたいのか?
- 好きな旅行で迷惑をかけずに歩きたいのか?
- 頑張る自分へのご褒美なのか?
- 来週の試合にレギュラーで出たいのか?
お客様のゴールは百人百様です。だから、聞く必要があるんです。
このことを忘れずに、お客様と共に歩んでいくことで、よりお客様に愛される院になることができます。
まとめ
施術家は治すのが仕事。
でも、治すだけでなく、お客様が治った先の真のニーズ(ゴール)が満たされているのかどうかが重要です。
施術中の雑談でもいいので、お客様の真のニーズを聞き出したいものです。
この考え方は、チェーン店などでは取り入れにくいですが、一人院の場合は、緊密な信頼関係を築くのに役立ちます。
お客様の目標(真のニーズ)を理解することの重要性がわかると、お客様の声に耳を傾け、共にゴールを目指していくことができます。
その結果、お客様から信頼され、地域から愛される院になっていくことができます。
この記事を書いたのは、パーフェクト整体創始者・片平悦子です。
——————————————-
〒338-0002 埼玉県さいたま市中央区下落合2丁目5−3 辻村マンション301
TEL:04-8679-6762
一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会(略称:JPSA)
公式サイト:https://perfectseitai.org
営業時間:10:00 ~ 17:00
定休日 :土・日・祝
——————————————-
こんな記事もお役に立てると思います!