【整体 股関節】検査・触診の極意:痛む箇所と歩行パターンから原因部位を即座に特定する法
股関節痛を訴えるお客様に対し、いきなりベッドに寝かせて可動域チェックを始めていませんか?
プロの施術家にとって、勝負は「問診」と「立ち姿・歩き方の観察」で決まります。お客様の「どこが、いつ痛むか」という訴えには、原因部位を特定するための重要なサインが隠されています。
この記事では、優先的にチェックすべき項目から、歩行時の急な痛み、パツンパツンに張った組織の緩め方まで、見立ての精度を上げるための極意を解説します。
目次
1.【痛む箇所別】原因部位の即時特定
股関節痛のお客様が、痛みを訴える場所はどこ?
- 臀部(お尻)が痛い(股関節後面)
- 鼠径部(そけいぶ)が痛い(股関節前面)
- 大転子付近(股関節の外側)が痛い(股関節外側面)
- 大腿部(太もも)が痛い(股関節内側面)
それぞれの、骨と骨の隙間の、どの部分が狭くなっているかをチェックする必要があります。
臀部が痛い場合
長く歩いたり、長時間立っていたりすると、臀部の筋肉がパンパンに凝ってくる場合は、
- 大臀筋
- 中臀筋
- 小臀筋
- 深層外旋六筋
上記のどれか、もしくはこれら全部が緊張しています。この場合は、股関節の後側が狭くなっていると予想できます。
鼠径部が痛い場合
階段を昇る時やズボンをはくときに、片脚を上げようとしても上がらない、など。鼠径部が痛む場合は、
- 腸骨筋大腰筋の停止部付近 (鼠径部、足の骨の付け根内側付近)
- 大腿直筋起始部 (骨盤の前面足の付け根辺り)
の緊張やこわばりがあります。この場合は、股関節の前側が狭くなっていると予想できます。どこで狭くなっているのか?お客様が痛みを訴える場所を聞いて特定!仮説を立てて施術ができます。
股関節の横外側やお尻の外側が痛い場合
歩いていると股関節の横外側やお尻の外側が痛み出したり、こわばったりして歩きにくくなる場合は、
- 大腿筋膜張筋 (骨盤の横外側の筋肉でかなり硬くなる)
- 外閉鎖筋 (お尻の深層筋で一番深い筋肉)
の筋肉が骨にくっついている部分。
- 体中心に近い方の骨にくっつく部分が「起始」
- 体中心からより遠位で骨にくっつく部分が「停止」
よく検査して緊張を探します。ただし、外閉鎖筋は、深層外旋六筋の一番深い筋肉なので、先に深層外旋五筋、
- 梨状筋 (りじょうきん)
- 上双子筋 (じょうそうしきん)
- 下双子筋 (かそうしきん)
- 内閉鎖筋 (ないへいさきん)
- 大腿方形筋 (だいたいほうけいきん)

を先に緩めて検査します。この場合は、股関節の骨と骨の隙間の外側が狭くなっていると考えられます。
大腿の付け根の内側が痛い場合
動作時や歩行時に、大腿付け根、内側部が痛む場合は、
- 恥骨筋(骨盤前下部と大腿骨の上裏に付着する筋肉)

引用:https://www.anatomy.tokyo/systematic/sa10/origin-and-insertion-of-pectineus/
- 長短内転筋(骨盤前下部と大腿骨裏に長く付着する筋肉)

引用:https://www.anatomy.tokyo/systematic/sa10/origin-and-insertion-of-adductor_longus_and_brevis/
大内転筋の起始と停止をよく検査して緊張を探しましょう。この場合は、股関節の骨と骨の隙間の内側が狭くなっていると考えられます。
このようにお客様が指し示す「痛みの位置」によって、アプローチすべきターゲットは明確に分かれます。まとめると
- 臀部(股関節の後面)が痛む: 深層外旋六筋の固着や、坐骨神経の緊張を視野に入れます。
-
鼠径部(股関節の前側)が痛む: 「15分以上歩くと前側が痛む」という場合、大腿骨頭が臼蓋に対して前方に変位し、腸腰筋や関節包を圧迫している可能性が高いです。また、反り腰による骨盤の前傾が、前方への衝突を助長させていないかを確認します。
-
大転子周辺(股関節の外側)が痛む: 中臀筋や大腿筋膜張筋の過緊張、あるいは大転子滑液包のトラブルを疑います。
-
大体前面(股関節の内側)が痛む:恥骨筋・大腿内転筋群の過緊張や膜の癒着を疑います。
2.【鑑別診断】歩行中の「ピキッ」と「パツンパツン」の正体
動的な痛みや、組織の異常な張りには特定の原因筋肉が存在します。
歩行中に急に「ピキッ」と痛む時に診るべき意外な3つの筋肉
股関節が、歩いていて突然ピキッと痛む時、私が臨床の場で原因として多かった3つの筋肉を紹介します。
1. 外閉鎖筋
意外と多いのは、外閉鎖筋です。

(イラスト引用:https://www.anatomy.tokyo/origin-and-insertion-of-obturator_externus/)
外閉鎖筋は、閉鎖孔から大転子に向かってついている結構深い筋肉(ほとんど内閉鎖筋に隠れている)です。この外閉鎖筋が硬いと、歩いていて急にガクッとなって、動けなくなる方がおられます。
2. 大腿筋膜張筋
外閉鎖筋の緊張が取れてくると、次に緊張が気になるのが、大腿筋膜張筋です。

(イラスト引用:https://croissant-online.jp/health/163174/)
大腿筋膜張筋は骨盤の外側の筋肉で、片足立ちしたときに体重を支えている筋肉です。この大腿筋膜張筋がうまく使えてないとそれも股関節がピキッと痛くなる原因になることがあります。
3. 小臀筋
そして、意外と見逃されているのが、小臀筋です。

(イラスト引用:https://mori18.com/blog/archives/8325)
周辺が「パツンパツン」に張っている時の視点
股関節周辺の軟部組織が異常に硬結している場合、単に筋肉を揉むだけでは不十分です。
-
診るべき部位:内転筋管と大腿筋膜 組織の張りが強い時は、筋膜の滑走性が失われ、内圧が高まっているサインです。特に内転筋群が硬いと骨頭を内側に引き込み、関節の遊びを奪います。ここを解放することで、パツンパツンの張りが一気に緩みます。
3.【臨床の見立て】優先的にチェックすべき項目
臨床現場で迷わないために、以下の順序で評価を進めます。
-
静的アライメント: 立位での骨盤の高さ、大転子の前後位置を確認。
-
動的評価(歩行): 荷重時に骨盤が外に流れないか(トレンデレンブルグ徴候の予備軍)、足首や膝で代償していないか。
-
触診の極意: 筋肉の表面ではなく、骨頭の「角」や「隙間」を指先で探り、関節の適度な遊びがあるかを精査します。
4.まとめ:お客様の言葉を「解剖学的地図」に変換する
「15分歩くと痛む」という訴えは、時間の経過とともに骨格の支えが崩れ、軟部組織が悲鳴を上げている証拠です。 お客様の主観的な訴えを、プロの眼で解剖学的な原因へと変換すること。この「見立て」の精度さえ上がれば、施術の半分は成功したも同義です。
より詳細な技術論や重症例へのアプローチについては、以下の専門ページを参考にしてください。
股関節の施術において、単に筋肉を緩めるだけでは「歩行時の痛み」を完全に取りさることは困難です。大切なのは、関節が三次元的に正しい位置にあるか、正しく動くかという「適合性」の見極めにあります。
今回は、お客さまが痛みを訴える股関節の部位別の施術ポイント等についてご説明しました。股関節についてもっとしっかり知りたい方にお勧めなのは!パーフェクト整体の『股関節痛・改善法 施術手順書』なかなか濃い内容になっていて施術法も動画で見ることができますのでおすすめです。
詳細はこちらからご覧いただけます。
↓↓↓
https://perfectseitai.co.jp/lp/03-opt/
▶︎ パーフェクト整体に興味がある方へ
パーフェクト整体は、【ミリ単位・頭〜足まで・カスタム施術】で、全身のあらゆる症状の改善に対応できるので、目の前の患者さんを助けたい施術家の武器になる手法です。
気になる方は無料のメルマガに登録すると、7日間のメルマガ講座と9本のプレゼント動画で、パーフェクト整体の概要がわかります。
↓
メルマガ登録はこちらをクリック
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を書いたのは、パーフェクト整体認定講師・小林 俊彦です。

あわせて読みたい
股関節痛の改善には、部分的なテクニックではなく、骨盤・股関節・膝・足首までを網羅した「連動性の理解」が欠かせません。
「なぜ、この痛みが出るのか?」という疑問に解剖学的根拠を持って答え、自信を持って施術にあたりたい先生は、ぜひ一度、当院の根幹理論をまとめたこちらの解説記事も併せてご確認ください。
>> 股関節痛の根本原因特定と施術のポイント(理論編)はこちら
現場での「治しきれない」を「自信」に変えるためのヒントが、ここにあります。
——————————————-
〒338-0002 埼玉県さいたま市中央区下落合2丁目5−3 辻村マンション301
TEL:04-8679-6762
一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会(略称:JPSA)
公式サイト:https://perfectseitai.org
営業時間:10:00 ~ 17:00
定休日 :土・日・祝
