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整体で困った時に読むブログ

【整体 ぎっくり腰の問診・触診】内臓疾患の鑑別法と静止時・動作時痛の評価ポイントと触診

激痛で動けないぎっくり腰。その痛みは整体の適応症なのか?「腎臓結石」などの内臓疾患を見落とさない鑑別診断のやり方から、プロが実践すべき問診・視診のポイント、静止時痛・動作時痛のパターン評価、患者さんの恐怖心に寄り添う心理的アプローチまで徹底解説します。

「痛みで脂汗を流し、壁にすがりつくようにして院に入ってきた」
「触ろうとすると『痛いから触らないで!』と拒絶され、問診すらまともに進まない」
「この激痛の裏に、重篤な病気が隠れていたらどうしようと、内心身構えてしまう」

ぎっくり腰の患者さんが来院されたとき、激痛に顔を歪めるのをみて、施術家として緊張し、プレッシャーに押しつぶされそうになった経験はありませんか?

 ぎっくり腰の施術で最も大切なのは、いきなりベッドに寝かせて手技を始めることではありません。その激痛が「整体の適応症か」を見極める鑑別診断と、患者さんの「恐怖心」を和らげる初動の問診・視診技術です。

この記事では、現場で誰もが身構えるぎっくり腰の対応で「鑑別・評価・寄り添い方」を解剖学的な視点からまとめて解説します。

ぎっくり腰を根本改善へ導くプロの核心的アドバイス(総論)をまず知りたい方は、こちらの親ページをあわせてご覧ください。 → 【整体 ぎっくり腰】ぎっくり腰を改善する!プロが実践すべき3つの核心的アドバイス

1. その激痛は整体の適応症か?「腎臓結石」とぎっくり腰の判別法

ぎっくり腰の問診において、プロとして絶対に避けて通れないのが「レッドフラッグ(整体非適応の疾患)」の除外です。その代表例が「腎臓結石(じんぞうけっせき)や尿管結石」による急激な腰痛です。

結石による腰痛は、一見ぎっくり腰と酷似していますが、解剖学的なロジックを用いれば明確に見分けることができます。

判別ポイント ぎっくり腰(筋骨格系) 腎臓結石・尿管結石(内臓系)
姿勢による変化 楽な姿勢をとれば痛みが和らぐ どんな姿勢をとっても激痛が変わらない
痛みの性質 動いた瞬間や荷重をかけたときに激痛 じっとしていても波を打つように激しく疼く
随伴症状 特になし(腰局所の痛み) 血尿、排尿痛、吐き気、発熱など

患者さんが

  • 「どんなに姿勢を変えても1ミリも痛みが引かない」
  • 「のたうち回るように痛い」

と訴える場合は、迷わず医療機関への受診を促してください。この「適応症か否か」の境界線を自信を持って引けることが、プロとしての本当の安心感と信頼に繋がります。

2. プロなら見落とし厳禁の「問診と視診」&患者心理への寄り添い

結石などのリスクを除外し、整体の適応症だと判断できたら、次は患者さんの「心」と「姿勢」を正確に評価します。

① 整体師の私がぎっくり腰になって痛感した、患者の心理

実は、私自身も過去に激しいぎっくり腰を5回経験しています。最初のぎっくり腰で感じたのは、「ぎっくり腰の患者さんは、体の激痛と同じくらい、精神的な恐怖心でパニックになっている」ということです。

「このまま一生歩けなくなったらどうしよう」「明日の仕事はどうなるのか」 そんなパニックに近い状態の患者さんに対し、施術者がオドオドした態度を見せたり、いきなり無言で体を動かそうとすれば、恐怖心から防御反応(全身の筋肉の緊張)が働き、手技の効果は半減してしまいます。

パーフェクト整体の現場では、まず「大丈夫ですよ、ぎっくり腰の痛みの原因は仙腸関節にありますから、できる限り痛みなく改善できるようにしますので、安心してくださいね」と、言葉で恐怖心を克服させてあげることから始めます。

施術者の絶対に改善に導くという信念が、患者さんの警戒モードを解く最大の鍵になります。

② 見落とし厳禁の「視診」のポイント

患者さんが院のドアを開けてからベッドにたどり着くまでの歩き方、座り方をプロの目で徹底的に観察(視診)します。

  1. 前屈みになってしまう
  2. 体がどちらか左右に傾いている
  3. 膝を曲げてそろそろ歩く(股関節が曲がらなくて1歩が出ない/右or左側に力が入っていない)
  4. 下腹にも痛みがある

それぞれ何が起きているか見ていきます。

1:前屈みになってしまう場合

仙腸関節が硬いと、仙腸関節に体重をかけると痛むので、体重を前に逃すことが多いです。

立位でまっすぐを保つのも苦しいのに、足を前に出すのはもっと辛い。そういう状態は見てわかります。

玄関から受付に来るまで苦しそうで時間がかかる時に悪い部位は、仙腸関節と腰仙関節のことが多いので、目安にしてみましょう。

2:体が左右どちらかに傾いている場合

上体が、左右どちらかに傾いている場合は、重症です。仙腸関節はもちろん硬いです。

さらに、左右の腸骨に挟まれた仙骨は3軸で動いています。仙骨は、鉛直軸・左右軸・前後軸を回るように動くのが正常で、この3軸での動きがある時は、仙骨は常に微妙に動いています。(これを金魚運動と言ったりもします)

上体が傾いてしまう場合は、仙骨の3軸の動きができなくなっている状態なので、仙腸関節はもちろん硬いけど、仙骨自体も動きの制限がかかっているので、回復には結構時間がかかると思った方がいいでしょう。

3:膝を曲げてそろそろ歩く

健康体なら、体を起こしてしゃきしゃき歩けます。ですが、膝と股関節を曲げてちょっと上体を前傾にしてお年寄りみたいに歩く場合、何が起こっているのでしょうか?

もちろん仙腸関節は悪いです。それに加えて腰仙関節も悪いです。それから椎間関節も悪いし、股関節も悪いことが多いです。

だから、悪い部位を庇うように、膝と足首のコントロールを利かしてゆさゆさ歩くわけです。骨盤を動かさないようにして、足だけで歩くとこんなことになるので、しっかり見て確認して下さい。この場合、施術箇所は通常よりも増えます。

また、片足立ちをして貰って立てない側の仙腸関節がロックしていますので視診の参考にして下さい。

4:下腹部が痛い

4つ目の下腹部痛を伴うぎっくり腰は、結構重症で時間が経過しています。

  • 「下腹がつっぱる」
  • 「下腹が痛い」

とお客様は表現します。両側は稀で、どちらか片方になりますが、普通は仙腸関節が硬い側の下腹部が痛いと訴えます。

女性がそう訴えた場合は、婦人科疾患を疑って、1度、婦人科で診てもらってください。男性がそう訴えた場合は、泌尿器系が悪いこともあるので、同様に1度、医療機関での検査をオススメして下さい。

内臓の病気を見逃すのは怖いので、必ず医療機関での検査をお勧めして欲しいのです。ですが、もし、医療機関の検査でなんともなかったら、

  • 左の下腹が痛かったら左の仙腸関節が硬い
  • 右の下腹が痛かったら右の仙腸関節が硬い

と判断できます。

さらにに、もう1つ見逃してはいけないパターンがあります。腸骨は、前傾したり後傾したりします。一般的には骨盤が前傾するとか後傾すると言うのを聞いたことがあると思います。

腸骨が前傾で固まった場合には、腰椎の前弯がキツくなります。すると、腰椎と小転子をつなぐ大腰筋・小腰筋の距離が縮みます。縮んで、膜(筋腹や起始・停止)に癒着が起こると痛いです。

多くの場合、お客様は腹直筋の外側あたりを指差して痛いと言います。そういう場合は、背面だけでなく腹面のインナーマッスルの状態も診る必要があります。

骨盤が後傾した場合は、筋肉を包む膜の距離が伸びますから、縮んで癒着という状態は起こらないのですが、前傾した場合にトラブルが発生することがあるので、そこも気をつけて診て下さい。

激痛で問診票が書けない状態であっても、この「逃避姿勢」を注意深く視るだけで、どの関節がどちらの方向にロックをかけているのか、おおよその見当(パーフェクト整体流の透視検査の始まり)をつけることができるのです。

3. 痛みのパターン分析:「静止時痛」3パターンと「動作時痛」の特定法

さらに原因をミリ単位で特定するために、痛みが「じっとしているとき」に出るのか、「動いた瞬間」に出るのかを細かく分析します。

① 「静止時痛」の3つのパターン

じっとしていても痛むという場合、そこには明確な構造的理由があります。

  1. 仰向けで痛む:大腰筋が縮こまり、腰椎が前方に引っ張られて椎間関節が衝突している

  2. うつ伏せで痛む:腰椎の椎間関節がズレてロックがかかっている

  3. 横向きでも痛む:骨盤のねじれがあり、仙腸関節を包む靭帯・関節包が限界まで引きつれている

静止時痛がある場合は、決して無理な姿勢を強要せず、最も楽にいられる姿勢を探し出して施術することが鉄則です。

② 「動作時痛」動く瞬間の激痛をどう止める?

  • 寝返りを打とうとした瞬間
  • 椅子から立ち上がろうとした瞬間
  • 運転席から降りようとした瞬間

にピキッと走る殺人的な激痛。この動作時痛の正体は、筋肉ではなく「仙腸関節(骨)の衝突事故」です。

人間が動くとき、骨盤(仙腸関節)や腰椎はミリ単位で滑らかに噛み合って動きます。しかし、どこかの関節がズレた状態でロックしていると、動こうとした瞬間に関節のロックが邪魔をして動かすことができず、周囲の神経を強烈に刺激しピキッとした痛みになります。

当協会が提唱する「第1メソッド:透視検査法」を用いて、前屈のブレーキなのか、側屈のブレーキなのか、回旋のブレーキなのか、はたまた複合してブレーキがかかっているのかを、動作から逆算し、関節のロックをミリ単位で特定していきます。

4.触診は、最低5カ所をチェックする

ぎっくり腰の触診に必要な5カ所とは

  1. 骨盤の傾き
  2. 仙腸関節の硬さ
  3. 仙骨の傾き
  4. 腰仙関節の硬さと変位
  5.  腰椎の1〜5番の硬さと変位

骨盤、仙腸関節に関しては、座位で仙骨の中央からPSISの位置を確認し、左右差を見つけ、坐骨結節の動きの硬さを調べます。

おしりの下に手を差し入れ、坐骨結節を両手で挟み、左右からそっと押します。すると、仙腸関節が悪くない時は、圧を吸収するのでふかふか動きますが、仙腸関節が硬くなると、圧を吸収できなくなるので、硬く動きづらくなります。

通常はこの5カ所で実際に何が起こっているのかを確認します。腰椎の1〜5番の硬さと変位までチェックする理由は、骨盤が整い下部腰椎のバランスが良くなっても、胸腰移行部が硬いとまた悪さが戻ってしまうからです。

片足だとができない場合は、この5つに加え大転子の位置と硬さもチェックすると股関節の状態もわかります。

最後に、老婆心で、仙骨の触診についても触れておきます。

①仙骨の傾きを仙骨孔で評価する

触診すると、仙骨が左や右に傾いてしまったり、「へ」の字になったり「く」の字になったりすることがあります。

それをどうやって評価するかというと、第1〜第4仙骨孔を順番に触ってみましょう。仙骨孔が全体として

  • 斜めになってるか?
  • 途中まで斜めだったのが尾骨に向かって反対に行くか?

を見極めて評価して下さい。最初は、仙骨孔を探すのも大変かもしれませんが、練習すると、はっきりわかるようになりますので、仙骨がどうなっているか現状を評価してください

②仙骨の硬さで評価する

それからもう1つの評価は、仙腸関節が動かないから【ぎっくり腰】になっているわけですが、仙腸関節の硬さに左右差がある場合、硬い側の仙腸関節と拮抗するように仙骨が動くことで、本来は金魚運動をしている仙骨が硬くなってくることがあります。

仙骨の仙骨孔よりも外側を押して硬い部位が見つかったら、そこが緩めるポイントです。

技術の壁を前に、見立てに迷っている先生へ

脂汗を流すほどのぎっくり腰の患者さんを前にした施術家さんは、「もし自分の判断が間違っていたら……」と、内心で身構えてしまうこともあるかもしれません。

こんな時「激痛の裏にある内臓との鑑別や、痛みのパターンを読み解く明確な地図」を持っていれば不安や恐怖心がない状態で患者さんに向き合うことができます。

「〇〇さんのこの動けない激痛は、筋肉の炎症ではなく、腰のこの関節が動いた時に衝突事故を起こしているサインですよ。内臓の病気ではないので、安心してくださいね。痛みが強いので無理な操作はせずに、その衝突を解除していきますね」 と、プロとしての明確な見立てを言葉にして伝えてあげてください。

先生が正確な鑑別診断と丁寧な評価で「痛みの理由」を明確に示してあげることで、患者さんは未来に希望を持って、『改善するまで通おう』と先生を信頼してくださいます。

初動の問診・評価に自信が持てれば、ぎっくり腰の施術は原因を一つずつ紐解く手法を繰り返せば、確実に改善していきます。

確かな解剖学的視点を武器に、自信を持って一歩を踏み出し、苦しむ患者さんの最後の砦となりましょう。

FAQ

Q1. ぎっくり腰の患者さんが激痛でベッドに横になることすらできない場合、どのように検査や評価を進めれば良いですか?

A1. 患者さんが動けない場合、無理にベッドへ誘導してはいけません。まずは椅子に腰掛けたままで、あるいは壁に寄りかかって立った状態のまま、本記事でお伝えした「視診(どの方向に腰が曲がっているか、どちらの足に体重をかけているか)」を見て下さい。

例えば体が右に傾いていれば左の仙腸関節を庇っていると考えられますし、右足で方足立できないのであれば右の仙腸関節がロックされているとわかります。

患者さんに負担をかけない状態での「動かない検査」もしくは「重心移動などの小さな動きで検査する」ことこそが、重症例におけるプロの初動の極意です。

Q2. 患者さんが「数日前にギックリ腰をやってから、なんとなく足がピリピリとしびれる」と言っています。これは整体の適応ですか?病院へ送るべきですか?

A2. 初めての患者さんの場合は脊柱管狭窄症の疑いもあるので医療機関への受診を先に進めて下さい。

でも、医療機関の検査で異常なしなのに、ぎっくり腰の激痛に伴って足にしびれが出ている場合、仙腸関節が完全にロックしたことで、その中を通る坐骨神経などの通り道が物理的にギチギチに圧迫されている可能性が、臨床上よく見受けられます。

もし、便尿が出にくい(排尿障害)などの重篤な神経症状(馬尾症候群)がなければ、基本的には整体の適応範囲内です。

無理に揉みほぐすのではなく、骨盤を構成する関節のロックをリポジショニングして、神経の通り道を広げてあげることで、しびれも激痛もその場で大きく軽減していくケースが多いです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事は、片平悦子が書きました。

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